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【ネタバレあり】すずめの戸締まりのあらすじと結末をめぐる場所とともに紹介

2022年11月21日

みなさんこんにちは。このブログを書いている東急三崎口です。

今回は雑記です。前回の雑記では新海誠さんの最新作「すずめの戸締まり」についてネタバレ無しで書きました。今回は、「すずめの戸締まり」のあらすじと結末を作中でめぐる場所とともに紹介します。この記事では、ばっちりネタバレしているので、観る予定の方は注意してください。

あらすじ

「すずめの戸締まり」の主人公は、宮崎の田舎に住む女子高生の鈴芽(すずめ)です。鈴芽が「閉じ師」である青年 草太(そうた)と出会い、災厄が出てくる扉を閉じることで、鈴芽自身が成長するとともに、過去自分のトラウマを昇華させ、未来への希望が今を生きることの光明になることを確認する物語です。

これだけ読んでも、よくわからないと思います。ここから、作中の流れに沿って内容を紹介していきます。

内容

宮崎

物語の冒頭は、主人公である鈴芽の回想から始まります。その世界では、きれいな宇宙が見え周囲には人がおらず、草原が広がっている世界の中、自分一人が歩いています。母を探しながら歩いているのに、母はどこにも見つかりません。その世界の中で、母と思しき人と言葉を交わすところで、夢が覚め現実の世界に入ります。

そこから、いつもどおり通学しようとしていたところ、見覚えのある青年 草太とすれちがいます。草太に近くにある廃墟を尋ねられ、場所だけを教えたあと学校へ向かいます。学校へ向かう途中、廃墟のことが気になり一人で廃墟へ向かいます。その廃墟の中には、水たまりの中に一つの扉がありました。その扉を何度か開けているうちに、足元に石のようなものが埋まっていることに気づきます。鈴芽は、不思議に思ってその石を抜くと、石がネコに変わりどこかへ行ってしまいます。

遅れて学校へ行った鈴芽は、昼休みに弁当を食べていました。窓から見つめる目線の先には、先ほど行った廃墟から、まるでミミズのような得体の知れない赤黒いものが湧き出している世界がありました。いてもたってもいられなくなり、廃墟に行くと鈴芽が開けた扉からミミズのような赤黒いものが湧き出していました。草太がその扉を閉じようとしていました。その扉から出てきたミミズは、空に向かって伸びていて、それが地面に落ちるとその土地に災厄が起こるようです。災厄が起こらないように、草太とともに間一髪のところで扉を閉じ、地元には小規模の地震が起こった程度で済みました。扉を閉じるときにけがをしていた草太の応急処置をするために、鈴芽は草太を自分の家に連れて行きます。そこで、応急処置が終わったところに先ほど逃げたネコがやってきました。そして、ネコが草太を鈴芽の部屋にあったイスに変えてしまいました。そのイスは、鈴芽の母の形見です。そこから、イスの姿に変わった草太をもとの姿に戻すために、鈴芽と草太(イス)の旅が始まります。ネコを追いかけて愛媛行きのフェリーに乗ることになり、二人は愛媛に向かいます。

愛媛

フェリーに乗って、愛媛にたどり着くと二人はネコを探し始めます。このネコは、見た目から人々がダイジンと呼び始めました。SNSを使いながら、ダイジンの行方を追って愛媛の山奥へたどり着きます。そこで、地元に住んでいて鈴芽と同級生の千果と出会います。そのころ、愛媛の山奥の廃墟からミミズが出てくるのが見えました。千果の助けを借りて、二人は廃墟の扉を閉じることで災厄の発生を防ぎます。その晩は、千果の実家に泊めてもらい、ネコのダイジンを探し始めます。

翌朝起きると、ネコのダイジンが明石海峡大橋を渡っている情報を観た二人は、神戸を目指します。しかし、愛媛の山奥から神戸まで行くのは一筋縄にはいきません。道中、雨が降ってきてバス停に雨宿りしていると、偶然通りがかった神戸方面へ行く車に乗せられて神戸へと向かいます。

神戸

なんとか神戸へたどりついた二人ですが、乗せてくれたのがスナックのママで鈴芽はその日の店の手伝いをすることになりました。そこで、慣れないながらも手伝いをしていると、そのお店にダイジンがいるではありませんか。ダイジン追いかけていくと二人は、神戸の山奥の廃墟の遊園地にたどりつきました。その遊園地からは、ミミズが出ています。遊園地の廃墟には、シンボルである観覧車がありました。観覧車の扉から、ミミズが出てきています。鈴芽は観覧車の扉を閉じることに、草太はダイジンを捕まえることにして、別々に動くことになります。ダイジンは、もともと災厄を起こすミミズを封じるための「要石」と呼ばれるものでした。ダイジンに要石に戻るよう説得する草太ですが、ダイジンはそれは嫌だと拒否します。一方、鈴芽の方はというと観覧車の扉を閉じようとしますが、扉の奥にきれいな宇宙が見える世界が見えることに気づきます。この扉の奥に見えた世界は、冒頭の鈴芽の回想で彼女自身が見ていた世界と同じものだったのです。その世界に入り込んでしまい、扉を閉じることができずにいました。草太は鈴芽が扉を閉じていないのを見て、鈴芽に何かが起こっていることを感じ取り、ダイジンを捕まえることはあきらめて鈴芽を扉の中から救うことを選びます。その扉の世界から、鈴芽を救い出した草太は、二人で観覧車の扉を閉じることに成功します。

ミミズが出てくる扉の先の世界は、「常世」とよばれる死後の世界で、すべての時間が同時にある場所だと鈴芽は説明されます。神戸の観覧車の扉を閉じる時には、常世の世界に入り込もうとしてしまっていた、鈴芽を草太が救ったことになります。扉を閉じ終わったあと、鈴芽はもといたスナックに戻ります。

翌朝、ダイジンが東京へ向かったのを知り、二人も東京を目指します。

東京

東京へ行くと、草太の自宅へ行くことになりました。草太は大学生で、閉じ師をする傍ら教員を目指しています。草太の家にあった過去の史料を読むと、要石は西日本と東日本に1つずつあり、西日本のものは鈴芽が抜いてしまった宮崎に、東日本のものは東京にあるようです。

史料を見ていると、草太の家を訪れる人がいました。草太の友人芹澤です。芹澤曰く、草太は教員を目指していて教員採用試験が2日前にあったのに、そこに来なかったといいます。2万円の借金があるから、草太に連絡が取れるのであれば、早く返すように催促して芹澤は帰っていきました。

そうこうしているうちに、東京で今までとは比べ物にならない大きさのミミズが出てきます。今までの宮崎、愛媛、神戸では、扉の場所がはっきりわかる場所にミミズが出てくる扉がありました。しかし、東京の場合は今までとは違い、お茶の水の地下鉄丸ノ内線の出口からミミズが出てきていたんです。これでは、扉の場所を探すことすらままなりません。

このままでは、首都東京に大地震が起こってしまう。大地震を起こさないためには、扉の場所が見つけられない以上、ミミズに要石を刺すしかありません。ここでも、草太はダイジンに要石になってくれるよう懇願します。しかし、ダイジンはそれを拒否します。そして、草太に「お前が要石だ」とささやきます。これを聞いて草太も自覚します。ダイジンから、イスの姿に変えられたときに要石の役割も草太のものになっていたのです。草太はそのことを鈴芽に伝え、自身をミミズに刺すことを願います。鈴芽は、草太を要石として刺し東京の大地震は起こらずに済みました。しかし、そのことはこれから生きる世界で草太を失う選択をしたということに他なりません。

要石を刺したあと、目を覚ました鈴芽は皇居の地下にいました。東京の扉はそこにあったのです。扉の先には、要石となった草太がいます。しかし、その扉をくぐりぬけて、目の前に見えているはずの要石として草太のいる常世に行くことができません。どうやって、常世に行くことができるのか。この答えを探すために、東京の家にいるときに、草太から聞いていた、病院に入院している草太の祖父を思い出し、そのもとを訪れます。

草太の家系は、代々閉じ師をしています。草太の祖父から、要石となった草太を刺したのが鈴芽なのかと問われ鈴芽は答えに窮するも、そうだと答えます。そうすると、草太の祖父曰く「それでいい。今まで起こったことはすべて忘れなさい。」と諭されます。しかし、鈴芽はそれを拒否し、東京の後ろ戸を開けると言い、その場を去りかけます。それを見た草太の祖父が、常世への扉を開けられるのは一生で一度きり。一度開けたことがあるのであれば、その扉を開くことが常世へと行く方法だとヒントを示します。

ここから、ダイジンを捕まえて草太を元の姿に戻すことから、鈴芽の開けた常世への扉を探し草太を元の姿に戻すことへ鈴芽の目的が変化します。鈴芽は、過去に開けた扉は自身の出身地である宮城だと確信し、宮城を目指します。お茶の水の駅前を歩いていると、オープンカーに乗った芹澤に声を掛けられます。どこでも連れて行ってやると言われ、宮城を目指すようお願いします。その時、鈴芽のおばさんである環(たまき)さんに見つかります。鈴芽は、幼いころに母親を亡くし、おばの環さんに育てられていました。結局、鈴芽・環さん・芹澤の3人で宮城を目指します。

宮城

宮城へ行く道中、雨が降ってきました。芹澤の車はオープンカーだったので屋根を出そうとしますが、中古だったので、屋根が閉まりきりません。仕方なく、近くのサービスエリアで雨宿りをすることに。環さんは、サービスエリアからであれば、東京行きの高速バスも出ていることから、鈴芽を連れて帰ろうとします。しかし、鈴芽は頑として帰ろうとしません。そこで、限界に達した環さんは、姉の子供を引き取ったがゆえに婚活もうまくいかず、人生めちゃくちゃだ、あなたなんか引き取らなければよかった、私の人生返して、と鈴芽に言い放ちます。その後、環さんは倒れてしまい、黒猫のサダイジンが出てきました。少し休んでもとに戻った、環さん・芹澤・鈴芽の3人は宮城にある、鈴芽の故郷を目指します。その途中、鈴芽の故郷まであと20km程度の地点で、芹澤の車が動かなくなってしまいます。そこから、鈴芽と環さんの2人ですずめの故郷を目指します。

鈴芽の実家にたどり着くと、鈴芽は実家の土の中から過去の日記を取り出します。そこには、3.11のページが黒く塗りつぶされた日記がありました。鈴芽は、4歳の頃常世の扉を開けたであろう自身の記憶の糸口をつかもうとして、日記を探していたのです。黒く塗りつぶされたページが続いてあきらめかけていたところ、月ときれいな宇宙が描かれたページが目に入ってきました。これこそが、4歳の鈴芽が開けたであろう常世への扉だったわけです。ダイジンの助けも借りながら、鈴芽は当時開けた扉を見つけます。鈴芽が扉を開けると、そこにはたしかに常世の世界が広がっていました。鈴芽は常世の世界へ入っていきます。一方、環さんの目からは扉の先にも同じ世界が広がっているだけです。特殊な力を持っていない人には、常世の世界は見えていないことがうかがえます。

常世

鈴芽がやっとたどり着いた常世の世界には、津波が全てを破壊していった故郷の姿と、そこにへばりつくミミズがありました。そこに降り立った目線の先には、要石としてミミズを封じている草太の姿がありました。要石ととなった草太は、イスの姿をしているので、鈴芽はそのイスを引き抜こうとします。しかし、イスはなかなか抜けません。ずっと、イスを引き抜こうとしていると草太の目線から見た記憶が鈴芽に流れ込んできます。草太は、イスの姿に変えられてしまい、意識のある時間が短くなっていくことを自覚していました。要石として動けない世界に閉じ込められた世界の草太の前には、一つの扉があります。その扉を鈴芽が開けると要石が抜け、草太は元の姿に戻ることができました。とはいえ、要石が抜けてしまったので何とかしてミミズを封じなければいけません。その時、鈴芽とともに常世に来ていたダイジンとサダイジンが要石に姿を変えました。二人は、2つの要石を刺すことで、ミミズを抑えることに成功します。津波がおきたあとの廃墟の空間から、草原の広がった世界を取り戻すことができました。

ミミズを抑えたあとの世界は、鈴芽の記憶の中にあった世界と同じようなものでした。二人の視界には、常世を歩いている幼い女の子の姿が目に入りました。鈴芽は、その姿を見て4歳の時の自分自身であることを確信します。草太の来ていた上着を借りて、4歳の頃の自分に歩み寄ります。4歳の鈴芽は、「お母さん?」と問いかけます。鈴芽は、母ではないので答えに窮しますが、最終的には未来の自分だと伝え、未来に希望があることを約束し、母を失った4歳の鈴芽が前を向いて生きていけるように導く。そして、4歳の鈴芽を現世に送り出し扉の鍵を閉めました。

ラスト

現世に戻ってきた鈴芽と草太は、三陸鉄道のホームで一度別れを告げます。草太は、閉じ師として東京へ戻る道中にある扉を閉めていくようです。鈴芽は、宮崎へ戻る道中で、お世話になった方々にお礼参りをしながら、環さんとともに宮崎へ戻ります。

物語の始まりは夏でしたが、鈴芽の制服も冬服へと変わって時間の経過を感じますが、鈴芽は母と同じ看護師になることを目指して、普段の生活を送っていました。普段通り高校へ行こうと自転車に乗っていると、草太が向こう側から歩いてきています。今度は、廃墟の場所を教えるのではなく、「おかえり」と一言。ここで物語は終わりを告げます。

感想

ここまで、すずめの戸締まりで出てくる場所ごとに、大まかなあらすじを紹介しました。ここからは、ネタバレを含めて私の感想を書いていきます。

宮崎

主人公の鈴芽が住んでいるのが、宮崎なのは何が理由なんだろうかと思ってみると、天孫降臨の地が宮崎の高千穂なので、宮崎を選んだだろうかと思います。あと気づいたことといえば、冒頭の家のカットが、「君の名は。」を思いださせるような構図でした。一軒家の下に石垣があって、道路にできると坂道になっていてそこを自転車で下るシーンを見て、「君の名は。」の三葉の登校シーンをイメージしているのかなと思ってしまいました。

鈴芽が草太と出会い、登校途中に廃墟に引き返すきっかけになるのが、鉄道の踏切で電車待ちしている時なんですが、そこでちゃんとJR九州のロゴマークが入った気動車(多分キハ47系の九州色です。)が描かれていました。本当に新海誠さんは、鉄道好きなんだなって見ていて感じました。お気づきの方も多いと思いますが、鈴芽と草太が訪れた宮崎・愛媛・神戸・東京・宮城のすべてでちゃんと鉄道車両が登場しているんですよ。しかも、ちゃんとその土地に実際に走っているだろうものが描かれています。これは、意図的に入れているとしか思えないですね。

当初要石だったダイジンがネコになって、ネコがしゃべるというのが、非常にコミカルだった一方、そのコミカルなネコが、草太をイスに変えてしまうというシリアスなことをやってのけるところにかなり驚きました。この物語の大きな仕掛けは、草太がイスになるというところを観客にどう受け入れてもらうかというところだと思いました。「君の名は。」では、男女が入れ替わるという設定がキーになっていました。実は、草太がイスに変わる前に、要石だったダイジンがネコに変わるというコミカルさを挟んでおくことで、草太がイスに変わるというシリアスさのある設定を受け入れやすくしているのではないかと思います。初手で、草太がイスに変わってしまうと、観客としては突然過ぎて違和感を持ちかねないですが、まず石をネコに変える設定を入れてしまうことで、世界観として物が動物に変わることは、この世界ではあり得る話なんだということを受け入れさせてしまって、そこから人が物に変わるという、かなりシリアスは変化を受け入れやすくしているのではないかと思います。

愛媛

フェリーを使って、愛媛にたどりついたあと、イスを持ちながらダイジンを探していくわけですが、ちょっと山奥過ぎてどうやって扉までたどりついたんだろうと思ってしまった感はありました。あと、鈴芽の家が宮崎なのはいいですが、次の目的地が愛媛なのはなぜなんだろうかと思いました。この答えは自分の中で出せていませんが、中央構造線沿いなので過去に大きな災害が起こって、それにまつわる場所があるんでしょうか。もし、ご存じの方がいらっしゃったら教えていただきたいです。

神戸

愛媛から神戸に舞台が移り、神戸の廃墟といえば「摩耶観光ホテル」を想像しました。廃墟の中でもかなり有名な方です。少し前の映画の劇場版デスノートがここで撮影されていたのでも有名です。作中で出てきた神戸の廃墟は、遊園地ですし摩耶観光ホテルに観覧車があったなんて話は知らないなと思っていたら、さらに昔に「奥摩耶遊園地」というものがあったそうです。作中でモチーフにされているのは、こちらかもしれません。奥摩耶遊園地には観覧車もあったそうですし。

神戸で扉を閉じたあと、新神戸駅から新幹線で東京に向かうわけなんですが、新幹線は外観の描写は無かったものの、作中では東海道山陽新幹線で使われているN700系列の内装がきっちり描写されていました。シートの色とか、座席の配置とかが忠実でしたね。

東京

さて、鈴芽と草太が東京に到着したあと、すぐ乗りかえたのは中央線でした。「君の名は。」でも中央線と中央総武緩行線が出てきていましたが、やっぱり新海誠さんって中央線好きなんでしょうね。今回、御茶ノ水駅がばっちり出てきていました。御茶ノ水駅の中央線と丸ノ内線が見えるあたりのカットが作中でも出ていましたし、丸ノ内線のトンネルの出口から、ミミズが出てきているくらいですから、思い入れがあるんでしょう。

鈴芽と草太が東京に行くことになって、「君の名は。」と「天気の子」との類似性を少し感じました。君の名は。だと、田舎に住む三葉が東京を訪れるシーンがありますし、天気の子では帆高が島から東京へ出てくるところから物語がスタートしています。地方にいる人が、東京へ出てくることで大きな経験をするって構図は、大きくいうと3作品に共通するんじゃないかと思います。

東京でのシーンでは、鈴芽がイスになった草太を要石としてミミズに刺すシーンがあります。ここは、鈴芽の立場からすると、「草太がいる世界を維持して100万人の犠牲者が出る」VS「草太がいない世界を生きる代わりに100万人の命を救う」といった二つの選択肢があったんだと思われます。前者の選択を「自分」、後者の選択を「世界」とすると、今作品では主人公は「世界」を優先する選択を取ったように思われます。正直言うと、ここで物語が終わると、ただ単にバッドエンドになってしまうわけです。今作で注目したのが、主人公が一度は「世界」を優先する選択をしながら、自身の希望を叶えるために草太の姿を元に戻すために力を尽くすという二段構成になっていたことです。こんな選択をする主人公を描けるのは、冒頭のシーンであった回想の場面で、未来に希望を持って生きることができる主人公像があるからなのではないでしょうか。ただ、超自然的な力を持っているだけの主人公では、未来に希望を描くことはできず、どちらかというと、超自然的な力を持っている代わりに、自分が犠牲になるって感覚が強くなってしまうのではないかと思います。

宮城

宮城の鈴芽の故郷まで行く道中の話です。最初に思ったのが、都内から宮城までオープンカーでいくのつらくね?ってことです。とりあえず、高速乗るとしてもかなり時間がかかるでしょうし、季節は夏とは言え風が強いとつらそうです。

途中のサービスエリアで、環さんと鈴芽が口論になる場面はいまいち理解できなかった点が多かったです。特に、環さんから黒猫のサダイジンが出てきた場面は、よくわからなかったというのは正直なところです。環さんの黒い感情を疑似的に黒猫のサダイジンとしたのだろうか?とも考えましたが、最終的にサダイジンが要石になったことをただそれだけではないんじゃなかろうかという考えになり、では黒猫のサダイジンが環さんから出てくる理由って何なんだろう?という謎が解けずにいます。いい解釈がもしあれば、教えていただけるとありがたいです。

芹澤の車が、目的地から20kmのところで故障する描写がありましたが、これは20km圏内をかなり意識しているんじゃないかと思います。意識的なのかは、わかりませんがそこから先は限られた人が行く世界という線引きがされているのを暗示しているのかもしれません。

常世

常世の世界については、死後の世界ですべての時間が同時にある場所ですので、何が起こっていても許されるといえば許される世界になります。そんな世界を描き出すことで、タイムリープを使わずに4歳の鈴芽と16歳の鈴芽を会わせることに成功しているのは、この作品の中で一番重要なポイントなのではないかと思います。

4歳で母を亡くすことは、私には想像できないですし体験していないので、本当の意味で理解することはできていないんだと思います。しかし、4歳の鈴芽と16歳の鈴芽が会うことで、自身のトラウマになるような体験であったとしても、未来の自分が今から生きていく自分の人生の希望を保証してくれるというのは、非常に大きな体験なんだと思います。こういう体験をされている方が、いらっしゃるのかわかりませんが人生を前向きに生きていく力になるんじゃないかと思います。

君の名は。では、時間を巻き戻すことで、瀧と三葉は再開を果たすことができました。天気の子では、神社の力で帆高は陽菜に再開することができました。今作では、常世を見ることができて、扉の奥の世界が見ることができるのは、たしかに超自然的な力です。ただ、現実世界の時間を巻き戻したりせずに、時間を超えて過去の自分に未来の希望を与えるという非常に価値のあることを映像作品として表現できることを我々に伝えてくれていることが重要なのではないかと思います。

ラスト

常世で4歳の鈴芽を見送ったあと、鈴芽と草太は現世に戻ります。そのあと、三陸鉄道のホームで、いったん分かれることになります。ここで、三陸鉄道を出してくるのが、鉄道を入れたいっていう作者の気持ちが伝わってきます。ここでもちゃんと、三陸鉄道の車両が描かれていました。

宮崎に戻った鈴芽は、母を失った悲しみを乗り越え成長し、母と同じ看護師を目指していることが、最終版の鈴芽の机の上の参考書からわかります。普段通り、自転車に乗って通学しようとしていると、草太が向こう側から歩いてきているわけです。このラストシーン、本当に「君の名は。」と「天気の子」とも似ていますよね。「君の名は。」では、神社の階段で主人公2人がすれ違いそうになって、「君の名前は?」で終わります。「天気の子」では、主人公二人が雨上がりの東京の坂で再開するところで終わります。今作も、鈴芽の登校途中で草太が逆側から歩いてきて、「おかえり」と一言いう場面で作品が終わります。新海誠さんの世界観といってしまうとそれまでですが、観客としては最後に印象的なシーンとして覚えてしまうような気がします。最後の一言って、非常に大事なんでしょうね。

ここまで、感想をつらつら書いていますが、もしお気づきの点がありましたらコメントいただけると助かります。

まとめ

今回は、「すずめの戸締まり」のあらすじと結末を作中でめぐる場所とともに紹介しました。前回、すずめの戸締まりについてネタバレなしでさらっと記事を書いて、ネタバレを見たい方はネタバレサイトを見てくださいと書きました。よくよく考えてみると、ネタバレを含む記事を自分で書いてしまえばいいじゃないかと思って書いたのがこの記事です。ネタバレサイトって、すでに公開されている作品について書くので、簡単そうに思いますが、実際に書いてみて全く簡単ではありませんでした。やっぱり、作品が長ければ長いほど、伝える情報を取捨選択する必要があって、かつストーリーが伝わるように書かないといけないので、普段の記事とは違う苦労をした感覚があります。もし閲覧者数が増えたら、他の作品のレビュー記事も書いていくかもしれません。長くなりましたが、今回の記事はここまでです。記事の中でわからないことがあったり、明らかに違うだろうと思われることがありましたら、コメント等をいただけると嬉しいです。関連記事にすずめの戸締まりの考察記事を貼っています。映画を観てもやっとする部分があった方はぜひご覧ください。それでは、次回の記事でお会いしましょう。

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ネタバレ記事:【ネタバレあり】すずめの戸締まりのあらすじと結末をめぐる場所とともに紹介

考察1本目:すずめの戸締まり2回目を観ての考察~観るつもりがなかった友人との目線の違い~

考察2本目:すずめの戸締まり考察第二弾~謎の多いダイジン・サダイジンは結局何者なのか?~

考察3本目:すずめの戸締まり考察第三弾~小説版を読んで改めてダイジン・サダイジンの正体について考える~

雑記

Posted by tokyu351