みなさんこんにちは。このブログを書いている東急三崎口です。
この記事では、Micronの2023年度第二四半期の決算について解説します。
【この記事で解説すること】
・Micronの2023年度2Qの決算内容
・Micronの財務体質
・半導体メーカーの今後の予測
半導体業界に興味があったり、転職したい方はこちらの記事も読んでみてください。

Micronは、半導体メモリを作っている会社ですが、半導体メモリやMicronの会社を良く知らない方はこちらの記事で解説しているので読んでみてください。


決算内容
Micronの2023年度2Qの決算についてみていきます。ポイントはこちらです。
売上高が2023年度1Qからさらに減少。営業利益は大幅赤字。
売上高、粗利・営業利益の順に詳しく見ていきます。
売上高
2023年度2Qの売上高は、36.9億ドルです。1ドル135円で換算すると4980億円くらいです。
四半期で5000億円近く売上があるので、大きな会社であることは間違いありません。
直近5四半期の売上をグラフにするとこのとおりです。

2022年度3Qから、売上が急減していることがわかります。
2023年度1Qの時点で、以前より売上が減っていましたが、2023年度2Qでは2023年度1Qを下回る売上になっています。
Micronは、半導体メモリのDRAM・NANDフラッシュメモリの2種類を作っています。
DRAMとNANDフラッシュメモリのそれぞれについて、売上を見ていきます。

DRAM・NANDフラッシュメモリの両方で、売上が下がっていて、2023年度2Qでも回復していません。
半導体メモリ業界の市況は厳しいことがよくわかります。
粗利・営業利益
次に粗利と営業利益についてみていきます。
直近5四半期の結果を表にすると、このようになります。

粗利が、2022年度3Qからジェットコースターのように右肩下がりなことがわかります。
2023年度1Qでは、粗利はギリギリ黒字でしたが、2023年度2Qではマイナスに転落しています。(11.6億ドルのマイナス)
粗利がマイナスということは、売上よりも製品の原価の方が高いことを意味しています。
粗利の減少に連動して、営業利益も減少しています。2023年度の純利益は、20.8億ドルの赤字です。
3か月で日本円換算すると2000~3000億円近い赤字なわけですから、相当市況が厳しいことがうかがえます。
バランスシート
次に、Micronのバランスシートについてみていきます。
2023/3/2時点のバランスシートをざっくり見ると、このようになっていました。

グラフは、決算資料から筆者が作成しています。
決算内容を見て、純利益が赤字だったので驚きましたが、バランスシートを見るとMicronの財務状況は非常に良いことがわかります。
会社の手持ちの現金を表す現金及び現金同等物は、97億ドルでした。日本円にすると1兆円近く現金を持っていることになります。Micronの会社の規模は多いいですが、それを考慮しても非常に手元現金を厚くもっているといえます。
そして、非常に純資産が多いバランスシートであることがわかります。
製造業は、工場を建てて製品を作る必要があるので、固定資産が多くなりがちです。Micronも固定資産は大きいですが、負債がとても少ないので会社としては続きやすいと考えられます。
トータルで見て、Micronのバランスシートは非常に良いと言えます。
半導体メモリ業界はチキンレース
ここまで、2023年度2QのMicronの業績について見てきました。
売上高の減少を見ると、2022年度3Qから半導体メモリ業界の市況は非常に厳しいことがよくわかります。
半導体メモリ業界は、Micronを含めて5社あります。
【半導体メモリメーカー】
・Samsung
・SK Hynix
・Micron
・Kioxia
・Western Degital
半導体メモリメーカーでは、競合他社との競争が非常に激しいです。
いかに、5社の中から勝ち残っていくかが今後のMicronの行く末を決めることになります。
Micronの競合メーカーについて知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。




まとめ
この記事では、Micronの2023年度2Qの業績について解説しました。
Micronの財務状況は素晴らしいですが、半導体メモリの市況が厳しい状況は今後も続きそうです。
半導体業界に興味がある方や、半導体業界に転職したい方はこちらの記事も読んでみてください。

今後も半導体について、解説していきたいと思っているのでよろしくお願いします。
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