メーカーのエンジニアのキャリアプランを考える

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みなさんこんにちは。このブログを書いている東急三崎口です。

この記事では、メーカーのエンジニアとして働いていた経験から、メーカーのエンジニアのキャリアプランについて考えてみます。

目次

新卒入社するまでの流れ

メーカーのエンジニアとして働く前の流れとしては、理工系の大学に進学するのがよくあるパターンです。

だいたい、理工系の大学からメーカーのエンジニアとしての求人があって、就職活動の時期が近づいてきてどこか就職するメーカーを探すのが王道でしょう。

就職活動をして新卒入社

大学4年生や、大学院まで進学する方であれば、大学院2年の学年に就職活動を行うことが多いです。

就職活動は、日本の大企業であれば就職活動の時期はある程度決まっていて、大手メーカーが新卒の求人を出す時期に多数のメーカーを並行して受けることになります。

転職活動と違って、新卒採用の求人の場合内定をもらってから入社するまでに時期があり、色々な会社を並行して受けることができます。

また、特に大企業のメーカーにありがちですが、新卒採用の場合採用されて配属される部門や職種がはっきりしない状態で採用が行われることがあります。

転職活動の場合と比較すると、かなり大きな違いです。これって、よくよく考えると、入社後にどんな仕事をするのか・どこの拠点に配属されるのか・会社がどんなキャリアプランを考えているのかを全く知らずに入社したいですと言っているわけなんですよね。

転職活動だと、仕事内容・配属先の拠点・採用後の要求職務をはっきりさせずに採用されることは基本的にありません。

日本で大企業に入社しようとすると、新卒採用で入社するのが一番入りやすいので、新卒採用で内定を取るのが一番易しい選択肢になりますが、よく考えると全てを採用する会社に任せているといっても過言ではありません。

新卒入社から10年

無事に新卒入社できると、配属される部署が自動的に決まり、配属される場所も自動的に決まります。

入社してすぐは、新卒者向けの研修があったりするかもしれませんが、そのうち部署に配属されます。

辞めずに数年経つと、部署を移動したりすることもあるかもしれません。全国転勤がある会社であれば、転勤含みの部署移動になることもあるかもしれません。

とはいえ、日本の大企業のメーカーだと入社してから10年くらいまでは同期入社した人の中で昇進に差がつくことは少ないです。

というのは、最初のうちは昇進スピードに差を付けずにみんなが横一線で昇進していくように見えるのが年功序列で人事制度が組まれている会社の特徴です。

正直、会社の立場からすれば新卒入社して配属される部署から、期待している人とそうでない人に差はついています。
当たり前といえば当たり前で、全員を同じ部署に配属することはできないわけですから、昇進が期待できる部署には将来的に昇進してほしいと思う人を配属することになるわけです。

一番最初に配属になった部署がどこになるかにもよりますが、10年くらいは同期入社の枠の中では表向きには昇進に差がつかないようになっています。

この理由は簡単で、同期入社の中で昇進に差が付き出すと、昇進をあきらめる人が出てくるからです。
年功序列の人事制度になっていると、給料体系も年功序列になっています。年功序列ということは、入社年次が若い方が給料が安く設定されているので、相対的に給料が低い若い世代に頑張ってもらわないと会社からすると困るわけです。

同期入社の中で昇進スピードが変わらないということは、給料もそれほど変わらないといえるでしょう。
ボーナスの査定によって給料に差がつくよう仕組みになっている可能性はありますが、所詮ボーナスの額が少し変わる程度です。

表向きは昇進スピードや給料の額が変わらないようにして、同期が横一線で昇進していくように見えますが、それが続くのも10年くらいの話です。

なぜなら、10年も会社にいればその後昇進を期待されている人と、昇進の可能性が無い人に分かれているからです。

管理職になれるかの選抜がかかる

10年弱会社の中にいれば、昇進できる人とそうでない人の差は、内部ではついています。

10年前後会社にいると、一番早く昇進する人と、真ん中の人、昇進が遅い人の3つに分かれてくるはずです。

よくよく考えてみると、昇進スピードに差が付き始めてから気づいてもどうしようもないわけです。

既に、会社の中では「昇進する人」は既に決まっており、昇進する人は同期入社の中でも先に昇進していくので、余程の成果を出せない限り、年功序列の人事制度では一番先に昇進する人を追い越すことはできない仕組みになっているからです。

昇進し続けられるのは一握り

同期入社の中で、昇進する人に入っていれば、昇進を続けられるかが問題になります。

大企業の管理職のポストは限りがあります。一番多い管理職のポストは課長でしょう。

今の時代を考えると、大企業の課長になれる人は一握りの人でしょう。しかし、課長から昇進するのは課長に昇進することよりもハードルが上がります。

課長から昇進するポストを考えると、部長が第一に考えられます。課長をやらずに部長になる人はいないでしょうから、部長のポスト争いは課長まで昇進できた人の中からの選抜になります。

課長になるだけでも相当選抜されていますから、選抜されて課長になった人の中から部長になる人を選ぶわけです。
課長になることよりも、明らかに昇進するハードルが上がっていることがわかります。

運よく部長に昇進できたとしても、その先の昇進はかなりハードルが高くなります。

部長から昇進するのは、会社や部署によって変わるでしょうが、本部長とか事業部長レベルになります。

そうすると、部長まで昇進した人の中から本部長や事業部長になれる人が選抜されることになります。

大企業で部長まで昇進するだけでも、すごいことですが、さらに昇進しようとすると部長までなった人の中からの選抜になります。ここまでくると、相当厳しい戦いになるのは容易に想像できると思います。

本部長や事業部長までなれる人は相当少ないでしょう。仮になれたとしても、その次のポストを考えると次は執行役員や会社の役員、取締役、常務、専務、最終的には社長になるわけです。

従業員が1000人の会社であろうと、10人の会社であろうと社長は1人です。

従業員が1000人の会社で社長になれる確率は、単純に人数で考えても0.1%ですからかなり厳しい割合です。

昇進できなくなったらどうするか

ここまで、会社の中で昇進しようとすると、どんどん厳しい戦いになることを解説しました。

つまり、何が言いたいかというと、会社の中で昇進をしようとすると、入社して10年くらいまでの横一線の昇進の時期を過ぎると、昇進を続けるのは格段に難しくなるということです。

では、昇進できなくなったらどうするのかを考えてみます。

いくつか選択肢がありますが、1つは会社が続いている限り会社にしがみつくことです。

2023年現在、正社員で働いていると会社側の都合で社員を解雇するのはかなり厳しい制限が掛かっています。

少なくとも、新規採用を停止して解雇せざるを得ない要件を満たすことが必要です。(懲戒解雇になるようなことをした場合は別ですが。)

日本で正社員の解雇規制が厳しいうちは、会社にしがみついていくのも1つの選択肢となるでしょう。

2つ目の選択肢は、別の会社に移ることです。今の会社では、残念ながら昇進できない状況になっていて、自分の力では変えることができません。そこで、別の会社に移れば昇進できないという状況は変えることができます。

評価する人や会社が変われば、環境が変わるので昇進できない状況を変えることはできます。移った先の会社で自分が活躍できれば、かなり良い方向に環境を動かすことができます。

20年後の未来に変わっているであろうこと

新卒入社した会社でずっと昇進し続けるのが難しいこと、そして昇進できなくなったらどうするのかについて書いてきました。

この前提は、今の日本の労働環境が続けばという前提で書いています。

実際に、昇進できなくなるタイミングは人によります。そして、昇進できなくなったタイミングで会社にしがみつく選択をするタイミングも人によります。

会社にしがみつく選択をするうえで重要なのが、会社がずっと存続してくれて自分が会社から解雇されないことです。

今の日本の正社員の解雇条件が厳しい状況が続けばいいですが、定年を考えると30~40年続いてくれないといけません。

40年前というと、2023年から見たら1983年です。1983年といえば、任天堂がファミコンを出した年です。
今や任天堂の最新ゲーム機はswitchですが、ファミコンから40年経つとswtichになっているように、当時からは想像もできない変化が世の中に起こっていることは想像に難くありません。

そんな中、30~40年後に日本の労働環境がどう変わっているのかを、可能性として考えてみます。

そもそも会社は残っているか

まず、一番大きいのがそもそも自分が勤めている会社は残っているのかということです。

30年・40年後を考えてみると、2052年~2062年になります。こんな未来に何が起こっているのかを正確に予測するのは不可能です。

30~40年経てば、社会は大きく変わっているでしょう。その時に、自分の会社が残っているのかどうかは、ちゃんと見極めておいた方がいいです。

インフラを担う会社や公務員であれば話は別ですが、そうでない会社であれば自分の会社が将来的に無くなっているリスクは誰しもあるものです。

自分が昇進できなくなって、会社にしがみつきたいと思ったタイミングで会社自体が無くなってしまったら、しがみつく先がなくなってしまいます。

会社にしがみつくことを考えるのであれば、なるべく潰れにくい商売をしている会社を探すのが一番いいです。

正社員の解雇要件の緩和

社会の変化の次にリスクが高いのは、正社員の解雇要件の緩和です。

現在の日本では、裁判の判例から正社員の解雇要件が非常に厳格に決められています。

懲戒解雇に値するようなことをやらない限り、そんなに簡単に会社側は正社員を解雇できないようになっています。

ですが、将来的に正社員の解雇要件が緩和される可能性があります。少なくとも今より解雇要件が厳しくなることは無いでしょう。

というのは、現状の解雇要件では一度採用した社員は会社の経営が傾くまで実質的に解雇できないからです。

今後、過去の判例を覆すような裁判結果が出れば、正社員の解雇要件が緩和される可能性はあります。

解雇要件が緩和されるとどうなるかというと、現在と比べて正社員の解雇がやりやすくなります。

正社員であれば、とりあえず会社が倒産しなければ安泰という時代ではなくなることを意味しています。

定年の延長

3つ目に考えられるのは、定年の延長です。

定年が何歳になっているのかは、会社によって違います。近年では60~65歳定年の会社が多いのではないでしょうか。

1990年代は、55歳定年が一般的だったのを考えると10年近く定年が伸びていることになります。

また、65歳定年だったとしても再雇用で70歳まで働ける制度を作っている会社もあります。

日本の人口構成から考えても、人口減少が続く中で若い人の数が増えることは期待できないので、定年が延長される可能性は高いです。

正社員の立場から考えると、定年の延長は定年まで働くと70代まで働くことになりかねません。

それでも問題ないといえば問題ないんですが。

30~40年1つの会社に居続けるのは難しくなりつつある

会社が続いているかどうか・解雇要件が緩和される可能性を考えてみました。

単純に定年が延長される場合は、会社が続いている限り働くことはできるのでまだましですが、自分が同じ会社で働きたいと思っても、解雇要件の緩和や会社の倒産があると、自動的に同じ会社では働けない状況が生まれてしまいます。

私は、結果的に30~40年同じ会社で働き続けるのは厳しい社会になっていくと考えています。

やはり、解雇要件の緩和が起こった瞬間に、大企業では解雇される人が出てきてしまうことが容易に想像できます。

今までは、新卒入社した会社でずっと働き続けるのが美徳だった時代から変わっていくことは目に見えています。

まだ音を立てて崩れているわけではありませんが、あと10年くらいすると音を立てて社会が変わり始めるはずです。

自分の市場価値を知っておくことが重要

会社で働き続けるのが難しくなってしまう可能性があるときに、どうすればいいのかというと、自分の市場価値を認識していくことが重要です。

今すぐ転職する必要はありません。しかし、自分の経歴と自分のスキルに対して、市場はどんな判断をするのかを知っておく必要はあります。今の会社でもらっている給料と、市場価値が大きく離れている場合は、今の会社から出ると途端に給料下がってしまうことになります。

実際に自分の市場価値を知りたい時には、転職サイトに登録することで他社がどのくらいのオファーを出してくれるかを知ることができます。

転職サイトといっても、かなりの数があります。メーカーのエンジニアの方におすすめの転職サイトは、アカリクとdodaです。

アカリクは、大学院卒(修士卒・博士卒)の方向けの求人にフォーカスしています。大学院卒でメーカーのエンジニアをされている方にはお勧めです。

dodaは、とにかく求人数が多く転職エージェントとしても使えるサイトです。求人数が多く、メーカーの求人も多数あります。とりあえず転職サイトに登録してみたいという方に特におすすめです。

登録はこちらのボタンからできます。登録は無料なので、是非やってみてください。

理系の方で今の会社から転職したい方向けにおすすめの転職サイト3選についても、こちらの記事で解説しています。

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まとめ

この記事では、メーカーのエンジニアのキャリアプランについて解説しました。

ポイントは、この3つです。

・新卒入社から10年くらいは横一線で昇進していく
・管理職に昇進するまでには昇進する人としない人の差がついている
・会社で昇進し続けるのは難しい

なかなか、昇進し続けるのは難しく、会社にしがみつこうとしても、解雇要件の緩和が今後行われることが予測されるので、1つの会社にしがみつくのは厳しい社会になっていくと考えられます。

ここまで読んでくださってありがとうございました。このブログでは、転職だけではなく、半導体やカラオケについても記事を書いているので、ホームを見ていただけると嬉しいです。

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