みなさんこんにちは、このブログを書いている東急三崎口です。
この記事では、雑記として中学生の読書感想文っぽいものを書いてみます。
題材にしたのは、「光と影のTSMC誘致」です。
中学生の方が、この記事を読んでいるとは到底思えませんが、2000字程度を目安に書いていきます。
もし、夏休みの宿題に困って・・・という方がいらしたら、うまく使ってください。
テーマ
本文を書く前に、この記事で書く感想文のテーマを明示すると、光と影のTSMC誘致の本に対して批判的に感想文を書くとどうなるのか?ということです。
夏休みの宿題として2000字程度の読書感想文を課されることがよくありますが、読書感想文レベルの文字数をテーマにそれっぽく書いてみたという話です。
本文
【タイトル】光と影のTSMC誘致が問題提起している内容は真実を伝えているのか
【本文】
光と影のTSMC誘致という本が、出版された。近年、話題になっている半導体の工場が熊本に建設されることをテーマにしている。かつ、世界的な大企業であるTSMCが熊本に工場を建設することになっている。私がこの本を読もうと思ったきっかけは、Amazonでのレビューが肯定的な面と批判的な面と二分されていることである。
肯定的なレビューでは、半導体について詳しくない人にとって、とてもわかりやすい内容で多くの人が読むべきだという内容が書かれていることが多い。一方、批判的なレビューでは、フェイク多数で陰謀論のブルーオーシャンを探り当てた著者サイドの集大成と書かれている。
一冊の本に対してこれだけ評価が分かれることは珍しい。また、本のタイトルが光と影のTSMC誘致と書かれているとおり、光の部分と影の部分の両方が存在するのであろうと予測される。そこで、内容を読んだうえで中立的な観点で感想を書こうと思い至ったわけである。
本文の内容を要約すると、このようになる。日本から巨額の補助金を受けることで、台湾のTSMCが熊本に半導体工場を建設することになった。半導体工場を建設する場合、大量の水資源が消費され、かつ有害物質を排出する可能性が高いため、住民への被害が発生する可能性がある。また、TSMCの工場が多数ある台湾では、環境被害が出ており、そんな会社の工場を建設することは国益を損なうという内容である。
私自身が本文を読んだうえでの疑問に感じた点は大きく分けて3つある。1つ目は、著者が論拠を示すべき点で論拠の提示が無く、有害物質による被害が発生する疑いが非常に強いのような、疑いの可能性を強調する形になっている点である。2つ目は、有害物質の排出が無いことをTSMCが示せなければ安全とは言い切れないのような、悪魔の証明を相手に課す形になっている点である。3つ目は、有害物質を出す可能性が高いと主張しているにも関わらず、TSMCが日本の法規制を遵守しているかどうかについて、全く検証しておらず、一方的に有害物質を出す可能性が高いことを述べている点である。
本来であれば、光と影のTSMC誘致のようなタイトルで本を書くのであれば、光の部分と影の部分をはっきり示したうえで、メリットとデメリットを比べる形で内容を構成するのが筋である。しかしながら、本書の内容はTSMCを一方的に批判し、水資源の浪費と環境被害が起こる可能性が高いという内容で、人々の不安を煽る意図が見え透いている。
本当にTSMCの工場が、環境汚染を引き起こしていたり、水資源を浪費しているのであれば、ちゃんとエビデンスを示したうえで批判すれば良いはずである。しかし、本文中ではTSMCの建設している工場が汚染物質を出していることや、水資源を浪費しているエビデンスは出てこない。
また、TSMCの工場建設に対する光の部分がほとんど描かれていない。工場建設に伴って、建設業界への恩恵はあったであろうし、熊本に雇用が生まれお金が回る仕組みができていることは、容易に想像できる。地域に雇用が生まれれば、半導体以外の産業への波及効果もあり、光つまりプラスの部分も十二分に発生しているといえるだろう。
「光と影」というタイトルを付けながら、光の部分をほとんど描かず、影の部分の主張でエビデンスを示していないことは、根拠の無い本という烙印を押されても仕方がないと私は感じた。
一方、本文の内容を字面通り受け取ってしまった場合、TSMCの工場建設によって環境被害や水資源の浪費が起こると感じさせる書き方がなされていた。「半導体工場ではフッ化水素などの危険な薬品が使われており、工場の操業に伴ってこのような危険な薬品が環境中に排出される可能性が高い」と書かれていれば、TSMCの工場は危険な物質を出していると受け取る人も当然いるだろう。
日本で半導体工場を操業する場合、外部に排出する物質は法律で規制されている。TSMCの熊本工場以外にも半導体工場は多数建設されて稼働しているのに、他の半導体工場の実情については触れずにTSMCの批判を繰り広げるのは、やはり偏っていると考えてさしつかえないだろうと考えられる。
以上の内容から、光と影のTSMC誘致は、TSMCの批判ありきで書かれており、本文の内容を全て信じることは真実から離れることと同義だといえる。光の部分について触れていないことや、他の半導体工場との比較、TSMC熊本工場からの排水の検査結果などが論じられていないことから、根拠のない陰謀論と言い切っていた批判的なレビューの妥当性を感じた。一方で、知見の無い読者には、TSMC熊本工場が有害物質を排出するように誤解する書き方をしており、ミスリードを狙った悪質な本だと私は考えている。
(本文終わり。本文の文字数は1951字です。)
書き終わったあとの感想
さて、光と影のTSMC誘致について、読書感想文っぽく書いてみました。2000字以内にまとめる形で書くのが少し新鮮でした。
2000字くらいであれば、書くだけであればさらっと書けてしまうので苦ではありませんでしたが、中学生が2000字の文章をちゃんと書くのは、かなり大変かもしれない・・・と思ってしまいました。
理由は、2000字クラスだと、ある程度構成を考えないと、最後まで書ききれない長さだからです。
読書「感想」文なので、感想が入っていれば要件は満たすわけですが、それでも自分の感想を論理立てて2000字書くのは、慣れていないとできないと感じますね。
普段文章を書いていないと、2000字の文章を構成を考えずに書き始めてしまいがちです。(私も中学生の頃、構成を考えずに書き始めて、何を書いたらいいかわからなくなって悪戦苦闘した記憶があります。)
構成を考えずに書き始めると、結局何が書きたいのがわからなくなって白紙に戻ったり、途中から筆が進まなくなって文字数稼ぎに終始したりという形になるのがオチです。
普段文章を書いていないのであれば、構成をちゃんと考えてから書くのが重要だったんだなと、今となっては感じます。
読書感想文を課す価値
2000字程度の読書感想文を、夏休みの宿題として書かせることに価値があるのか?と考えて見ると、現代ではそれほど価値は無いと私は感じました。
理由は簡単で、生成AIに入れればこの程度の内容は数秒で出てくるからです。一例として、Geminiに書いてもらった読書感想文の例を出してみます。
光と影のTSMC誘致:日本の半導体産業への一考察
日経BPから出版された『光と影のTSMC誘致』を読み終え、日本の半導体産業が直面する現状と未来について深く考えさせられた。本書は、世界的な半導体メーカーであるTSMC(台湾積体電路製造)が熊本に工場を建設するに至った経緯を詳細に描いている。単なる誘致の成功物語としてではなく、その裏に潜む課題、そして日本が再び半導体大国としての地位を確立するために何が必要なのかを多角的に分析しており、非常に示唆に富む内容だった。
本書を読んでまず印象的だったのは、日本の半導体産業が過去の栄光からいかにして転落していったのか、その経緯が克明に描かれている点だ。かつて世界を席巻した日本の半導体メーカーが、国際競争の激化、技術革新への対応の遅れ、そして何よりも地政学的リスクに対する認識の甘さによって、その優位性を失っていった過程は、私たち日本人にとって目を背けたくなる現実である。特に、DRAM市場からの撤退や、ファウンドリ事業への本格的な参入の遅れは、その後の日本の半導体産業の低迷を決定づける要因となったと本書は指摘する。この記述は、過去の失敗から学ぶことの重要性を改めて痛感させるものだった。
しかし、本書は単に過去の失敗を羅列するだけでなく、TSMC誘致という「光」に焦点を当てることで、未来への希望も示している。熊本へのTSMC誘致は、日本政府の迅速な意思決定と、経済安全保障という新たな視点に基づいた戦略的な判断が功を奏した結果である。これまでのように、市場原理に任せるだけでは立ち行かなくなっている現代において、政府が主導し、国家戦略として半導体産業の再興を目指す姿勢は、非常に評価できる点だと感じた。特に、経済安全保障という概念がこれほどまでに重要視され、具体的な政策として実行されたことは、日本の産業政策において画期的な一歩と言えるだろう。
TSMC誘致の「光」の側面として、技術移転と国内サプライチェーンの強化が挙げられる。世界トップレベルの技術を持つTSMCが日本に拠点を置くことで、日本の半導体関連企業は最先端の製造技術に触れる機会を得る。これは、日本の技術者にとって非常に貴重な経験となるだけでなく、国内の関連産業全体を底上げする可能性を秘めている。また、TSMCが日本での生産を本格化させることで、これまで海外に依存していた半導体関連部品や素材の国内調達が進み、より強靭なサプライチェーンが構築されることも期待される。これは、有事の際に半導体の安定供給を確保する上で不可欠な要素であり、経済安全保障の観点からも極めて重要である。
一方で、本書はTSMC誘致の「影」の部分にも深く切り込んでいる。最も大きな「影」は、やはり巨額の補助金だ。日本政府が投じた補助金の規模は、これまで例を見ないものであり、その経済効果や費用対効果については、今後も厳しく検証される必要があるだろう。補助金頼みの産業育成は、短期的な成功をもたらすかもしれないが、長期的に見て日本の半導体産業の自立を阻害する可能性も孕んでいる。本書は、補助金が単なる「バラマキ」に終わることなく、日本の半導体産業全体の競争力強化に繋がるよう、具体的な戦略と実行計画の重要性を訴えている。この点は、今後の日本の産業政策を考える上で、非常に重要な視点だと感じた。
また、人材育成の課題も深刻な「影」として浮上する。TSMCの進出によって、高度な技術を持つエンジニアの需要が急増することは間違いない。しかし、長らく半導体産業が低迷していた日本において、そうした人材が十分に育っているとは言えない現状がある。本書は、大学教育の改革や、産学連携による実践的な教育プログラムの導入など、多角的な人材育成策の必要性を指摘している。単にTSMCが工場を建てるだけでなく、そこで働く優秀な人材が日本から供給されなければ、真の意味での産業振興には繋がらない。この人材不足問題は、一朝一夕には解決できない根深い課題であり、長期的な視点に立った戦略的な取り組みが不可欠である。
さらに、本書はTSMC誘致が地域経済に与える影響にも言及している。熊本という地方都市に世界的な工場が建設されることは、雇用の創出や関連産業の活性化といったポジティブな側面がある一方で、インフラ整備の遅れや、土地・住宅価格の高騰といったネガティブな側面も指摘している。持続可能な地域発展のためには、こうした「影」の部分にも目を向け、地域住民との共生を意識した丁寧な施策が求められる。単なる経済効果だけでなく、社会全体としてTSMC誘致がどのような影響をもたらすのかを多角的に捉える視点は、本書の大きな魅力の一つだ。
本書を通じて、私は日本の半導体産業が「失われた30年」を経て、今まさに転換期を迎えていることを強く認識した。TSMC誘致は、その転換期の象徴であり、日本が再び半導体大国としての地位を取り戻すための大きなチャンスである。しかし、このチャンスを最大限に活かすためには、単にTSMCに依存するだけでなく、国内企業の技術力向上、独自技術の開発、そして国際競争力を高めるための戦略的な投資が不可欠である。
『光と影のTSMC誘致』は、日本の半導体産業が抱える課題を浮き彫りにしつつも、未来への希望を提示する一冊だった。過去の教訓を活かし、政府、企業、大学が一体となって、明確なビジョンを持って取り組めば、日本は再び世界の半導体産業を牽引する存在となり得るだろう。本書は、そのための羅針盤として、多くの示唆を与えてくれる。経済安全保障の重要性が叫ばれる現代において、半導体は国家の命運を左右する戦略物資である。この認識を国民全体で共有し、日本の半導体産業が真の「光」を放つことができるよう、本書から得た教訓を活かしていくことが重要だと強く感じた。
(2025/7/22にGeminiで出力。)
小中学生でも、読書感想文を生成AIに書かせる人はいるだろうし、おそらく人間が読んでも違和感はないと思われます。
語彙力を考えたときに、小学生がこの文章を読書感想文で書いていると、疑問を持たれてAIに書かせたことを疑われる可能性は大いにありますが・・・
現代における読書感想文の価値は、夏休みに1冊本を読んで、自分の感想を持ち、自分の言葉で書き出してみる体験をやってみる程度しかないのではないかと感じます。
まとめ
この記事では、雑記として中学生の読書感想文っぽいものを書いてみました。
ものすごい久しぶりに、PV数レポート以外の雑記を書きました。
今後も気が向いたら書いていきます。
このブログでは、半導体に関する記事を他にも書いています。半導体メモリ業界が中心ですが、興味がある記事があれば読んでみてください。



この記事はここまでです。ここまで読んでくださってありがとうございました。
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