みなさんこんにちは、このブログを書いている東急三崎口です。
半導体関連を中心に、私が気になった当日のニュースを5本程度紹介していきます。
2024/7/16のニュース記事5選
2024/7/16のニュースで私が選んだのは、この5本です。
Samsung’s HBM3e Rumored to be Certified by NVIDIA, Boosting DDR5 Price Increases in Q3
Trendforce 2024/7/16配信
JEDEC Releases New HBM4 Spec as Memory Giants Gear up to Take the Lead
Trendforce 2024/7/16配信
Samsung to mass-produce HBM4 on 4 nm foundry process
The Korea Economic daily 2024/7/15配信
虎の子なき東芝、「売れ残り」のパワー半導体にかける
日本経済新聞(会員限定記事) 2024/7/16配信
TSMC上級副社長、「ラピダスとはチップレット集積で共存できる」
日経XTech(有料会員限定記事) 2024/7/16配信
1:Samsung’s HBM3e Rumored to be Certified by NVIDIA, Boosting DDR5 Price Increases in Q3
1本目は、Trendforce発のSamsungがHBM3EでNVIDIAの認証を得たという内容の記事です。
SamsungがNVIDIAからHBM3Eの認証を得たという話が、Trendforceから出ました。
一度、ニュースが出たにもかかわらず、Samsungが直々に否定する異例の事態となっていましたが、やっと認証を得ることができたようです。
HBMは、生成AI需要に湧くGPU向けが主ですから、NVIDIAに対してHBMを供給できることは、Samsungから見ると非常に意味のあることだと言えます。
SK Hynixに先行されていることは変わりませんが、DRAMの製造キャパシティを見るとSamsungの方が大きいのは事実です。
ここから、SK HynixはSamusngに対して先行し続けられるかが重要ですし、SamsungはいかにSK Hynixのシェアを崩しにかかるかが、鍵になります。熾烈な競争が今後も続くと言えるでしょう。
Samsung’s HBM3e Rumored to be Certified by NVIDIA, Boosting DDR5 Price Increases in Q3
Trendforce 2024/7/16配信
2:JEDEC Releases New HBM4 Spec as Memory Giants Gear up to Take the Lead
2本目も、Trendforce発の記事でJEDECからHBM4のスペックがリリースされたという内容です。
HBM4は、HBM3Eよりも高速かつ低消費電力化が図られるようです。
1ピン当たりの速度は、6.4Gbpsまで高速化され、スタック数は最大16枚、1スタック当たりの容量は48GBまで広げられると書かれています。
技術的な難易度は上がるばかりですが、DRAMメーカー上位3社しか実質上製造できないので、次世代HBMも3社がしのぎを削る形になるでしょう。
本当に驚くようなスピードで、HBMは高速化・低消費電力化・大容量化が進んでいます。
JEDEC Releases New HBM4 Spec as Memory Giants Gear up to Take the Lead
Trendforce 2024/7/16配信
3:Samsung to mass-produce HBM4 on 4 nm foundry process
3本目は、The Korea Economic daily発のニュースでSamsungがHBM4のロジックダイに4nmプロセスを使うという内容です。
HBMには、DRAMで作られたメモリの下部にメモリをコントロールするためのロジックダイがあります。このロジックダイをHBM4からSamsungが4nmプロセスで作るという内容です。
SK Hynixは既に、TSMCとロジックダイの製造で協業することを公表しています。
Samsungは、他のDRAMメーカーと違って、自社でシステムLSI部門を持っていて、先端ロジック半導体を作ることができます。
Samsungは3nmプロセスからGAA構造を採用しているので、4nmプロセスはFinFETの最後の世代です。
4nmプロセスのロジックダイを自社で製造するのは、Samsungだけが取れる選択なので、先端プロセスをHBMに載せて今後のシェアを増やしていこうという意思が読み取れます。
今後の動きが楽しみです。
Samsung to mass-produce HBM4 on 4 nm foundry process
The Korea Economic daily 2024/7/15配信
4:虎の子なき東芝、「売れ残り」のパワー半導体にかける
4本目は、日経新聞発の東芝がパワー半導体でのロームとの協業について書かれています。
東芝は、半導体メモリ部門をキオクシアとして売却しているので、東芝本体に残っている半導体部門の中心はパワー半導体です。(ロジックについては、既に撤退しています。)
不正会計事件とウエスチングハウスの倒産によって巨額の減損損失が発生し、結果的にメモリ部門をキオクシアとして売却することになった経緯があります。
メモリ部門が東芝本体にあった頃は、電子デバイス部門は東芝の中でも稼ぎ頭だったので、東芝の今後の稼ぎ頭をパワーにかけるという方向性のようです。
虎の子なき東芝、「売れ残り」のパワー半導体にかける
日本経済新聞(会員限定記事) 2024/7/16配信
5:TSMC上級副社長、「ラピダスとはチップレット集積で共存できる」
5本目は、日経XTech発のTSMC上級副社長へのインタビュー記事です。
ラピダスは、2nmプロセスを作れるファウンドリとして設立されることが明らかになっています。
2nmプロセスを作るであろうファウンドリは、Samsung・Intel・TSMCでありそこにラピダスが加わることになります。
形として、ラピダスが2nmプロセスのチップを製造し、TSMCがパッケージングで協業する可能性について触れられています。
最終的に、どのようなプロセスを選ぶかは、顧客の要望とコストが大きく効くと考えられますが、TSMCがラピダスとの共存について触れたことはラピダスに取ってプラスになるのではないかと思います。
TSMC上級副社長、「ラピダスとはチップレット集積で共存できる」
日経XTech(有料会員限定記事) 2024/7/16配信
まとめ
今回は、2024/7/16の記事で私が選んだ半導体ニュース5選を紹介しました。
コメント・ご意見等あればお気軽にどうぞ。基本的に平日の夜に更新していく予定です。
このブログでは、半導体に関する記事を他にも書いています。半導体メモリ業界が中心ですが、興味がある記事があれば読んでみてください。
この記事はここまでです。最後まで読んでくださってありがとうございました。
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