みなさんこんにちは、このブログを書いている東急三崎口です。
半導体関連を中心に、私が気になった当日のニュースを5本程度紹介していきます。
2024/7/17のニュース記事5選
2024/7/17のニュースで私が選んだのは、この5本です。
東エレクなど半導体関連株が急落、米政府がさらなる対中規制を検討
Bloomberg 2024/7/17配信
Korean Semiconductor Exports Hit a New High, with Memory Shipment up by 88.7%
Trendforce 2024/7/17配信
TSMC技術者が先生に、九州大学の半導体「企画」人材育成
日経XTech(有料会員限定記事) 2024/7/17配信
稼働している!? 中国へ大量出荷された半導体製造装置の謎
EE Times 2024/7/17配信
ASML純利益19%減 4~6月、EUV装置の受注は56%増
日本経済新聞 2024/7/17配信
1:東エレクなど半導体関連株が急落、米政府がさらなる対中規制を検討
1本目は、Bloomberg発の記事で、アメリカ政府が半導体製造装置メーカーに対するさらなる対中国の規制を検討しているという内容です。
アメリカの技術を少しでも利用している場合、アメリカ以外の国であっても輸出規制を課すことができるルールがあるので、輸出規制が本当に適用された場合は東京エレクトロンやASMLは従わざるをえない状況になるでしょう。
東京エレクトロンやASMLは、中国での売上比率がそれなりに高いので、輸出規制が課された場合業績への影響は避けられないでしょう。
この報道を受けて、東京エレクトロンの株価は急落したようですが、株価は何で決まるのかよくわからないものです。
中国への半導体製造装置の輸出規制が厳しく課される場合は、中国向けの輸出と同等の需要は無いでしょうから、各社がどのように対処するのかが見どころです。
東エレクなど半導体関連株が急落、米政府がさらなる対中規制を検討
Bloomberg 2024/7/17配信
2:Korean Semiconductor Exports Hit a New High, with Memory Shipment up by 88.7%
2本目は、Trendforce発で2024年上半期の韓国のメモリの輸出がYoYで88.7%上昇したという内容の記事です。
前年はメモリ不況だったので、上昇率が大きく見えています。
メモリ不況からの回復期なので、上昇率が大きく見えていますが、HBMを中心としたメモリの輸出が伸びていることは間違いないでしょう。
メモリとひとくくりにされていますが、好調なのはHBMを中心としたDRAMだと思われます。
半導体メモリは市況の上下が激しいので、メモリメーカーは稼げる回復期に入っているのがよくわかります。
Korean Semiconductor Exports Hit a New High, with Memory Shipment up by 88.7%
Trendforce 2024/7/17配信
3:TSMC技術者が先生に、九州大学の半導体「企画」人材育成
3本目は、日経XTech発の九州大学が半導体の人材を育成するセンターについての記事です。
半導体に特化した研究センターができていたのは、私自身良く知らなかったですが、TSMCが熊本に工場を建てたことを契機に、九州の半導体に光が当たっているように見えます。
今後、どんな形で運用されるのか楽しみに見ていきたいと思います。
TSMC技術者が先生に、九州大学の半導体「企画」人材育成
日経XTech(有料会員限定記事) 2024/7/17配信
4:稼働している!? 中国へ大量出荷された半導体製造装置の謎
4本目は、EE Timesの大山聡さんの業界スコープです。
半導体製造装置メーカーは中国への売上比率が高いものの、2023年の半導体マーケットシェアで中国は4%しかないという謎を取り上げられています。
理由としては、半導体市場と半導体製造装置市場の売上が連動していないことを示されています。
実際のところどうなっているのかは謎ですが、仮に中国が半導体デバイスを製造していたとしても、西側諸国に輸出しにくい状況になりますし、中国自体が巨大なマーケットなので、外に出てこない可能性は高いです。
アメリカがアメリカの技術を使用した半導体製造装置を中国に対して輸出するのを禁じれば、おのずと中国への製造装置の輸出はできなくなるので、アメリカの今後の動向が注目されます。
稼働している!? 中国へ大量出荷された半導体製造装置の謎
EE Times 2024/7/17配信
5:ASML純利益19%減 4~6月、EUV装置の受注は56%増
5本目は、日経新聞発のASMLの決算発表の記事です。
ASMLの決算については、あまり詳しく見ていませんが、先期比減益だったようです。
メモリメーカーと違って、露光装置メーカーはASML一強の状態なので、比較しにくい面はあります。
EUV露光機はASMLしか作れないので、独占市場と言っていいでしょう。EUV露光機の需要は今後も増えていくと考えられるので、ASMLの成長は続いていくと思われます。
1台100億円を超えるEUV露光装置の次世代品として、High-NA EUV露光機も作られているので、今後も露光装置業界をリードしていく存在でしょう。
ASML純利益19%減 4~6月、EUV装置の受注は56%増
日本経済新聞 2024/7/17配信
まとめ
今回は、2024/7/17の記事で私が選んだ半導体ニュース5選を紹介しました。
アメリカ政府が、中国へのさらなる輸出規制を検討しているニュースは私自身驚きました。
製造装置メーカーとしては、中国市場へ輸出できなくなると、業績への影響は間違いなく出るでしょう。
コメント・ご意見等あればお気軽にどうぞ。基本的に平日の夜に更新していく予定です。
このブログでは、半導体に関する記事を他にも書いています。半導体メモリ業界が中心ですが、興味がある記事があれば読んでみてください。
この記事はここまでです。最後まで読んでくださってありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (2件)
アメリカ大統領選がハイテク産業の株価に影響与えすぎな感じがしますね。(確トラ?による)最近の下がり方が尋常じゃないです。ただ、既に色々なところで議論・指摘されていますが、輸出規制すればするほど中国自身の開発能力を助長することになり、長期的に見ると決して良くない状況と思いますが。
通りすがりのエンジニア様
コメントありがとうございます。東急三崎口です。
アメリカ大統領選の結果は、半導体産業に対して少なからず影響はあると思います。
ただ、具体的にどうなるか?というのは、読めない部分が大きいと思っています。
株価に関しては、未来の不確実性を嫌がる方向に動くのかなと考えていますが、よくわからないというのが正直なところです。
アメリカの対中輸出規制は、時間稼ぎをすることに過ぎないです。
中国は、自国で半導体デバイスを製造できるようにしていくのは間違いないので、どれだけアメリカが中国に追いつかれるまでの時間を作れるかという話でしかないです。
製造装置は(特にEUV)、中国が持っていない技術なので、ここを止めることでできるだけ時間を引き延ばしたいと考えているのでしょう。
今後ともよろしくお願いいたします。