2024/7/23の半導体関連ニュース5選

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みなさんこんにちは、このブログを書いている東急三崎口です。

半導体関連を中心に、私が気になった当日のニュースを5本程度紹介していきます。

目次

2024/7/23のニュース記事5選

2024/7/23のニュースで私が選んだのは、この5本です。

広島大発新興、電力9割減のメモリー材料を25年にも発売
日本経済新聞(会員限定記事) 2024/7/23配信

半導体関連の北海道GDP効果18.4兆円 ラピダス試算
日本経済新聞 2024/7/22配信

ラピダス折井専務「後工程は液晶パネル製造技術と融合する」
日経XTech(有料会員限定記事) 2024/7/23配信

China-US Chip War Escalated as YMTC Sues Micron for Patent Infringement
Trendforce 2024/7/23配信

Intel Suspended Investment in French and Italian Chip Plants
Trendforce 2024/7/23配信

1:広島大発新興、電力9割減のメモリー材料を25年にも発売

1本目は、日経新聞発の広大発ベンチャーが新規メモリ材料を2025年にも発売するという記事です。

記事で取り上げられていたマテリアルゲートという会社は、存じ上げなかったんですがホームページを見ると新規メモリ材料になりうる材料について書いてありました。

公式HPの技術紹介のページにある単分子誘電体は、単一分子かつ室温で強誘電体を示す材料のようです。

https://www.materialgate.com/%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%B4%B9%E4%BB%8B

単分子誘電体の中に金属イオンを格納することができ、金属イオンの安定サイトが2か所あるため安定サイトの場所によって分極の方向が変わるので、分極の方向を読み取ることで不揮発性メモリに使えるというロジックです。

細かい部分は全然わからないですが、分極が起こる2つの安定状態があれば、分極方向を読み取ることで0と1を記録することができるのは自然なことだと思います。

VCや事業会社から第三者割当増資の形で1.4億円を調達されたようなので、今後が楽しみです。

広島大発新興、電力9割減のメモリー材料を25年にも発売
日本経済新聞(会員限定記事) 2024/7/23配信

2:半導体関連の北海道GDP効果18.4兆円 ラピダス試算

2本目は、日経新聞発のラピダスが北海道のGDPに対する効果の試算に関する記事です。

ラピダスが北海道にもたらす経済効果をラピダスの会長が語った内容がそのまま記事になっています。

作る前から経済効果を推定することは自由ですが、この話はラピダスがチップを製造することができればという条件がつくように感じました。

現時点で不確定要素が非常に多い中で、ラピダスを作れば10兆円以上の経済効果が生じると書くのは、風が吹けば桶屋が儲かるに近い表現のように思います。

半導体関連の北海道GDP効果18.4兆円 ラピダス試算
日本経済新聞 2024/7/22配信

3:ラピダス折井専務「後工程は液晶パネル製造技術と融合する」

3本目は、日経XTech発のラピダスの後工程に関する記事です。

ガラスインターポーザに関する記事で、ラピダスは3つの世代のパッケージング技術の開発を進めるようです。

ラピダスの専務のインタビュー記事なので、興味がある方は読んでみると面白いと思います。後工程に関して、ラピダスがどの方向に向かっているのかがわかりやすいです。

ラピダス折井専務「後工程は液晶パネル製造技術と融合する」
日経XTech(有料会員限定記事) 2024/7/23配信

4:China-US Chip War Escalated as YMTC Sues Micron for Patent Infringement

4本目は、Trendforce発のYMTCがMicronを特許侵害で訴えていることに関する記事です。

YMTCは、中国のNANDメーカーでCBA構造を他社に先駆けて採用し、128層を生産していると思われます。

アメリカのエンティティリストに載ってしまいましたが、研究開発は進めているようです。

YMTCはMicronに対して特許侵害で訴訟を起こしていることは、過去に報道されていましたが、本当に訴訟をやっていたようです。

特許紛争なので、どういう結果になるのかはわかりませんが、米国内で特許に抵触する製品の出荷停止とロイヤリティを求めているようです。

アメリカが中国に対して輸出規制を課している中、どういう結果になるのかは非常に大きな意味を持つと考えられます。今後の動向に注目です。

YMTCの特許については、過去記事で取り上げたことがありますが、結構ちゃんと書かれています。興味がある方は読んでみてください。

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Trendforce 2024/7/23配信

5:Intel Suspended Investment in French and Italian Chip Plants

5本目は、Trendforce発でIntelがフランスとイタリアの工場建設を止めているという記事です。

Intelは、先端品の開発でTSMCに対して遅れを取っていて、苦しい状況であることは間違いありません。

その中で、優先度の低い工場の建設をストップしている状況ということでしょう。

半導体の工場建設には巨額の費用がかかりますし、工場で製品が生産できなければ建設費を回収することはできません。

工場建設だけではなく、製造装置の導入にも非常にお金がかかるので、手広く工場建設を続けることはできないという判断なのでしょう。

Intelの業績が回復すれば話は変わるかもしれませんが、現状のままだとなかなか厳しい状況が続きそうに見えます。

Intel Suspended Investment in French and Italian Chip Plants
Trendforce 2024/7/23配信

まとめ

今回は、2024/7/23の記事で私が選んだ半導体ニュース5選を紹介しました。

今日のトップニュースは、広大発ベンチャーの不揮発性メモリ向け材料の記事としました。

不揮発性メモリは、NANDフラッシュ以外のメモリの研究は続けられていますが、なかなか新規メモリが出てこないのが実情なので、個人的には非常に注目しています。

コメント・ご意見等あればお気軽にどうぞ。

このブログでは、半導体に関する記事を他にも書いています。半導体メモリ業界が中心ですが、興味がある記事があれば読んでみてください。

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この記事はここまでです。最後まで読んでくださってありがとうございました。

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