みなさんこんにちは、このブログを書いている東急三崎口です。
この記事では、Samsungのピョンテクキャンパスを外側から眺めてきたので、現地ルポとしてピョンテク工場を紹介します。
キオクシア四日市工場と規模感を比較
Samsungのピョンテク工場は、韓国の京畿道平沢市にあります。Google Mapで出すとこの辺です。
上から見ると、こんな感じです。
比較対象として、キオクシア四日市工場を同じスケールで並べるとこのようになります。
キオクシア四日市工場も、外側をぐるっと回ったことがありますが、どうも四日市工場よりもピョンテク工場の方が大きいように見えます。
キオクシア四日市工場のルポ記事は、こちらのリンク先です。興味がある方は読んでみてください。(四日市工場も十分大きかったです。)
それでは、周りを見ていきましょう。
ピョンテク工場外観
あまりにピョンテク工場が広かったので、その1~3に分けています。
その1
最初は、駅からピョンテク工場に歩いていく途中の光景です。
タワーマンションらしき建物が、いくつも建設されているのが遠目に見えました。
日本だと、タワマンが4-5棟並んで建設されている光景を見ることはあまりないので、工場に着く前から驚かされました。
とりあえず歩いていくと、ピョンテク工場の角にたどりつきました。
この場所は、地図上の★のあたりです。
最初は、★の場所から地図上で左下に向かって歩いていきます。
Google Mapを見ている限りでは感じなかったんですが、工場の周囲に植栽が多くて、あんまり中は見えないんじゃないか?という不安を抱えながらのスタートです。
植栽の間に道があり、少しすすむとこんな光景が見れました。
SamsungのCRの建屋を初めて見ましたが、特徴的な色が塗ってありますね。キオクシアの建屋は基本的に真っ白だったので、見た目の印象が違います。
しばらく歩いていると、オフィスのような建物が見えてきました。
7-8階建てと思われる、オフィス用の建物だと思われます。この中に1000人単位で人がいてもおかしくない規模感を映し出しています。
道の逆側を見ると、商業施設らしいものが建っていました。
道を挟んで反対側に商業施設があるのはいいですね。日本だと、工業団地の中に半導体工場があることが多いので、道を挟んで反対側にこういう建物はあまり見ないので新鮮でした。
出入口のところには、こんな看板が立っていました。
小さいですが、Wetcome to Pyongteak Campusと書いてあります。
このゲートの反対側にも商業施設がありました。
そして、ゲートから見える建屋の大きさに圧倒されます。
キオクシア四日市のY7くらいの大きさがあるんじゃないか?と思う規模の建屋が、いくつも並んでいます。
ここから、もう少し進むと交差点にたどりつきました。地図の★の場所です。
ここから工場の方を見ると、こんな感じでした。
木しか見えないやん・・・
夏場だったのもあり、こんな感じでした。ここから、地図上の右下の方向へ進んでいきます。
ここからは「その2」に入ります。
その2
交差点を曲がって少し進むと、ゲートがありました。
もちろん、工場内には入ってませんよ。
工場外周の植栽の上に、また箱が見えてきました。
そして、次のゲートが見えてきました。
さらに進んでいくと、現在建設中の建屋があり、クレーンが大量に立っていました。
半導体工場の建設現場は壮観です。
建設中の建屋を見ると、鉄骨が基本構造で中に広い空間が作れるように建てられていることがよくわかります。
建設中の建屋の隣に建っている、オフィス的な建物もかなりの高さがあります。
隣の土地に道路をまたいで連絡通路が作られていました。
キオクシアの四日市工場の外周を回った時にも、道路をまたいで工場用地がありましたが、こんな規模の連絡通路はありませんでした。
人だけが通るには大きすぎるだろ・・・と思いましたが、上部にウエハが通れる領域でもあるんでしょうかね。
建設中の建屋に近づくと、フェンスが設置されていて、韓国語で何かが書かれています。
英語は読めても、韓国語は私の能力不足で全然読めないので、何が書いてあるのかはわからずじまいです。
建設中の建屋について掲示がありましたが、私には記号の羅列にしか感じられず・・・
建設中の建屋を、先ほどとは逆側から見たカットです。
この辺までくると、かなり奥まできました。地図の★のあたりまで歩いてきました。
地図上の★の位置から、交差点を地図上の右側に曲がっていきます。ここから「その3」になります。
その3
交差点を曲がっても、建設中の建屋が見えてきました。
こちらは、クレーンはまだ立っていますが、外装はほぼ完成しているようです。
工場の逆側を見ると、ピョンテク市内のマンション群が見えました。
デジャブを感じたのは、千里丘陵から大阪市内を見たときのビル群に似ていたからかもしれません。
建設中の建屋の逆側まで歩いてきました。
Samsungのピョンテク工場の建屋の外観は、本当にカラフルですね。(赤・青・黄だから信号機みたいに感じたのは、私だけ?このマークの意味も多分あるんでしょうね。)
工場と逆側を見ると、すぐ近くにマンションらしきものが建設されていました。
キオクシア四日市工場の近くには、マンションは見当たらなかったので驚きました。
日本と韓国で、法規制も違うと思いますが、半導体工場の近くにマンションが新しく建てられているのは新鮮でした。今後も工場の拡張に合わせて、働く人が増えて住宅需要も増えていくんでしょうね。
工場ルポはここまでです。
帰り道の駅で、SamsungのQLEDのディスプレイが置いてありました。
量子ドットLEDのディスプレイが駅に置いてあるのは、さすが韓国だと感じましたね。
圧巻の広さと人の多さ
ここからは、ピョンテク工場を見て私が感じたことを書きます。
一つ目は、鉄道からのアクセスの良さです。工場のすぐ横を鉄道が走っていて、徒歩で工場にたどり着けるくらいの距離感でした。
二つ目は、圧巻の敷地の広さです。日本の半導体工場で敷地面積がおそらく一番広いと考えられる、キオクシア四日市工場よりもピョンテク工場の方が広かったです。
そして、新しい建屋がポンポン建っているのが非常に印象的でした。ピョンテク工場は、ロジック・DRAM・NANDを製造しているので、NAND単独の四日市工場とは単純比較できませんが、四日市工場のY7クラスの建屋がいくつも新設できるだけの需要があるんだと感じました。
三つ目は、ピョンテク工場に携わっている人の多さです。現地を訪れたのは土曜日でした。
土曜日なので、人は少ないのかな?と思っていましたが、非常にたくさんの人が働いているのが見て取れました。工場の建設関係の人が多かったのかもしれません。(写真では、人が映りこんでいる部分はカットしています。)
キオクシア四日市工場を訪れたのも、土曜日でしたが工場の周囲にはほとんど人がいませんでした。
もちろん、工場の立地が全然違うので単純比較はできませんが、相当多くの人が携わっていることが感じ取れました。
人・物・金が集まっている
Samsungの工場はピョンテクしか見ていませんが、規模感に圧倒されたとともに、人・物・金が集まっていることが外側から見るだけでもよくわかります。
建屋を1棟建てて製造装置を入れて稼働するところまでもっていくために、数千億円の費用がかかり、それが複数パラレルに動いていることを考えると、Samsungの資金力は非常に強いです。
決算発表で出されているBSを見ても、Samsungの自己資本比率の高さ・手元キャッシュの多さは、半導体メモリメーカーの中でも群を抜いています。
不況期が来ても基本的に減産せず、設備投資への手を緩めない強さは、圧倒的なキャッシュの賜物でしょう。
Samsungは、HBMでSK Hynixに先行を許すなど、従来の半導体メモリの王者の立ち位置から少し状況が変わりつつある可能性はありますが、ピョンテク工場への人・物・金の集まり方を考えると、短期的には強さを維持するのではないかと私は感じました。
かつ、ピョンテクは工場を中心に街が出来ている印象を持ったので、今後も発展し続けていくのではなかろうかと感じました。
まとめ
この記事では、Samsungのピョンテクキャンパスを外側から眺めてきたので、現地ルポとしてピョンテク工場を紹介しました。
あまりの大きさに圧倒されたうえに、全部徒歩で訪問したので翌日足が使い物にならなくなってしまいました。(韓国のタクシーが安いことを後から知ったので、タクシー使えばよかったです・・・)
キオクシア四日市工場のルポも書いているので、興味がある方は読んでみてください。
記事の内容に明らかな間違いや、誤植、誤解を招く表現等がありましたら、コメントかお問い合わせフォームでご連絡いただけるとありがたいです。(基本的に、頂いたコメント等には全てお返事しております。)
このブログでは、半導体に関する記事を他にも書いています。半導体メモリ業界が中心ですが、興味がある記事があれば読んでみてください。
この記事はここまでです。最後まで読んでくださってありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (4件)
現地ルポありがとうございました。
航空写真見るとキオクシア四日市工場のの大きさの違いが良くわかりますね。
そして、工場周辺の環境も大きく違うようですね。ピョンテクの方はまさに「Campus」で、「人」を集めやすい環境にもなっている一方、キオクシアの方は少し山に囲まれている感じで、アクセスや商業施設といった利便性に欠けるような感じがしますね。
通りすがりのエンジニア様
コメントありがとうございます。
東急三崎口です。
お返事遅くなってすみません。
記事読んでくださってありがとうございます。
航空写真で見て、規模感の違いは感じていましたが、実際に行ってみると大きさの違いを実感しました。
ピョンテクは工場を中心に街ができている感覚です。
日本だと、半導体工場を中心に街ができることはあまりないと思うので、違う印象を抱きましたね。
今後ともよろしくお願いいたします。
工場P1、P2、P4 1個に4兆円が投入
P3複合棟は6兆円投入
左にP5~P6も工場1個5兆円投入
敷地の大きさだけで289万平方メートル、サッカー場400ヵ所の大きさ
2026年に着工する三星(サムスン)の龍仁(ヨンイン)南寺(ナムサ)キャンパスは、はるかに大きく、より多くの資金が投入される。 40兆円が投入
ちなみにSKハイニックスの龍仁ウォンサムキャンパスは来年1月に着工開始現在の工事写真 http://www.yigic.com/industrial_complex.php
11様
コメントありがとうございます。
東急三崎口です。
ピョンテク工場の各建屋の投資金額を教えていただき、ありがとうございます。
公表資料で各建屋の投資金額がまとまっているもの探していたので、ありがたいです。
Samsungは、南寺へも投資するんですか。(このことは知りませんでした。)
龍仁への投資は、平沢を越える規模で、さらに韓国国内でのメモリの投資を続けていくんだと感じさせられます。
今後ともよろしくお願いいたします。