みなさんこんにちは、このブログを書いている東急三崎口です。
この記事では、SanDiskの2025年1-3月期の決算について解説します。
SanDiskの決算になって、あれ?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
従来は、Western Digitalの決算を見ていましたが、2025年2月にWestern DigitalのNAND部門がSanDiskとしてスピンオフされたので、今期からはSanDiskの決算について見ていきます。
2025年1-3月期決算
SanDiskの決算については、こちらのページで見ることができます。
売上高
SanDiskの四半期ごとの売上高の推移を図にすると、このようになります。

2025年1-3月期はSanDisk全体の売上高を、それ以前についてはWestern DigitalのNAND部門の売上高を示しています。
SanDiskは、NANDフラッシュメモリ専業メーカ―となりました。売上高のほとんどは、NANDフラッシュメモリによるものだと考えられますが、メモリ不況以後軟調ながら伸びが続いていることがわかります。
一方で、DRAMメーカーのような、売上高の急激な伸びは無く、メモリ不況前の売上高水準までは回復していません。
粗利
SanDiskの四半期ごとの粗利について見てみると、このようになっています。

粗利についても、売上高と同様に、2025年1-3月期はSanDisik全社のものを、それ以前はWestern DigitalのNAND部門のデータを使っています。
粗利に着目して見ると、好況と不況の移り変わりが顕著に見えます。
メモリ不況期は粗利が赤字の期がありますが、需要の回復に伴う売上高の回復でプラスに転じています。
その後、2024年後半から、粗利が減少に転じています。
2025年1-3月期は、スピンオフの影響もあり、営業利益の解釈が難しくなっていますが、粗利だけで見ると、市況は悪くなる方向に向かっているように見えます。
利益
営業利益・当期純利益に関しては、Western DigitalとSanDiskは扱っている製品が違い、会社の規模が変わっているので連続性が無いデータとして考えています。
連続性が無いデータを同じグラフに並べても意味が無いので、四半期ごとの推移は今回出していません。
次の四半期からは、比較データを出してみようと思います。
2025年1-3月期の利益は、スピンオフの影響からNon-GAAPとGAAP基準で大きく変わっています。
今期に関しては、期中にスピンオフが行われた特殊な期なので、あまり利益の絶対額等を見ても仕方がないので深くは触れません。
貸借対照表
最後に、2025/3/28現在の貸借対照表を図にしています。

貸借対照表は、Western Digitalからのスピンオフで一番大きく変わった点です。
スピンオフ前時点(2024/12/28)のWestern Digital全体の貸借対照表は、このようになっていました。

WD全体の自己資本比率は、48.5%でした。
一方、SanDiskとして分離されたあとのSanDiskの自己資本比率は70.7%でした。
スピンオフ後に調整が入るのかもしれませんが(スピンオフが貸借対照表に及ぼす影響に詳しくないので、もし調整が入って変動するのであれば教えていただけると幸いです)、単純に考えるとNAND部門単体の方が自己資本が厚くなっているといえます。
メモリメーカーの自己資本比率だけで見れば、相当上位にくるレベルです。協業しているキオクシアと比べても、SanDiskの方が良いと言えるでしょう。
今後、SanDiskの研究開発および設備への投資がどのように行われるのかはわかりませんが、悪い方向には向かっていないのではなかろうかと感じます。
まとめ
この記事では、SanDiskの2025年1-3月期の決算について解説しました。
スピンオフの影響で、WDのNAND部門との連続性が保てていない部分があり、どう表記するかを私自身悩んだ部分もあります。
とはいえ、SanDiskとしてNAND部門が単独の形になったので、業績に対する半導体メモリの影響はわかりやすくなったのではないかと思っています。
スピンオフに着目して1本解説記事を書こうと思っていましたが、そうこうしているうちに決算が先に来てしまいました。
今後も、SanDiskには注目していきたいと思っています。
記事の内容に明らかな間違いや、誤植、誤解を招く表現等がありましたら、コメントかお問い合わせフォームでご連絡いただけるとありがたいです。(基本的に、頂いたコメント等には全てお返事しております。)
このブログでは、半導体に関する記事を他にも書いています。半導体メモリ業界が中心ですが、興味がある記事があれば読んでみてください。





この記事はここまでです。最後まで読んでくださってありがとうございました。
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