みなさんこんにちは、このブログを書いている東急三崎口です。
この記事では、タイトルの通りキオクシアのこれまでとここからを考えてみたくなったので、これまでの経緯を踏まえたうえで、今後の未来として考えることを書いていきたいと思っています。
最近、まとまって記事を書く時間が取れなくなっていて投稿頻度が減っています。
従来の書き方では、たいていの記事は1日の中でまとまった時間を取ったうえで一発で書き上げていました。
しかし、この方法だと書き上げるまでの時間が取れないと、なかなか新規の記事が書けず、1か月1本程度にとどまってしまっていました。
そこで、まとまった時間が取れなくなってしまったことは仕方がないので、途中段階で記事を公開したうえで、追記していく形をとってみようと思います。
新たな取り組みなので、うまくいくかわかりませんが、うまく更新していく方法としてやっていきたいと思っております。
というわけで、更新履歴が一番最初にきて、そのあと本題に入る形になります。
更新履歴
2026/7/10:構成策定
2026/7/17:LBOスキームによる巨額の負債まで追記
最近の雑感
おそらくこの記事は長くなるので、最初に最近感じている雑感から入ります。
感じる雑感としては、大きく2つあります。
・キオクシアに言及する人増えましたよね?
・株価が上がれば何でも正義?
それぞれについて書いていきます。
キオクシアについて言及する人増えましたよね
本当に、上場前からウォッチして、財務諸表やIPO目論見書を見て記事を書いていたのを踏まえると、上場後にキオクシアについて言及する人が増えたと感じます。
上場するということは、不特定多数の株主が株式を買えるようになるので、公開される情報も増えますし、株価や業績に対して注目する人も必然的に増えます。
それ自体は非常に良いことなんだと思います。非上場の時は、元東芝だけど売られた会社というイメージが強かったと思いますが、今ではキオクシアという社名自体の認知度も上場前と比べて上がったのではないかと思います。
株価が上がれば何でも正義?
キオクシアの株価は、上場直後と比べて目を見張るほど上がっていて、非常に驚いています。
正直、公開情報をウォッチしていましたが、私自身は株を買えていません。半導体メモリ業界の業績のボラティリティは非常に大きいのを知っているが故に、買えなかったというのが本音です。
株価が上がるにつれ、言及する人が増えること自体は良いことなんでしょうけど、株価が上がれば正義のような感覚の人が多いんだなぁと感じるようになりました。
上場株式なので、キャピタルゲインを狙うのは当然です。
一方で半導体メモリメーカーは、技術の進歩のスピードが半導体以外の業界と比べて非常に速く、投資判断をするうえで技術について触れないのは無理筋なのではなかろうか?とも感じます。
もちろん、財務や直近の業績を見るのは不可欠ですが、少し技術よりの情報も混ぜながら株価が上がる=正義といった見方ではないところから書いてみたいなと思うようになりました。(と感じたので、こんな記事を書き始めたのです。)
記事の構成はすでに考えているので、以下の部分は時間が取れたタイミングで追記していこうと思っています。
2026/7/10更新
キオクシアのこれまで
ここからは本論に入って、キオクシアのこれまでについて簡単に書いていきます。
東芝からの独立
キオクシアを語るうえで欠かせないのが、東芝からの独立です。
多くの方はすでにご存じだと思うので詳しくは書きませんが、キオクシアは元々東芝の半導体メモリ部門でした。
東芝が、不適切会計を行ったことを背景に(不適切だと考えるかどうかは、立ち位置によって意見が分かれるところではありますが、一般的にとらえられている不適切会計という表現をしています)、不特定多数の株主からの公募増資が困難な状況にありました。
上場していながら、公募増資が不可能な状態にある東芝に、原発関連の巨額の損失が発生しました。
のれんの減損にあたるため、東芝の自己資本が激減し、資金調達を迫られることになりました。売れる事業は売ってしまっていたので、それまで虎の子として位置付けていた半導体メモリ部門を売却して、資金を調達することになったわけです。
正確に表現すると、半導体メモリ部門の売却は、半導体メモリ事業で当時協業していたWestern Digitalの反対などにより、当初の予定より遅れることになりました。
半導体メモリ事業の売却が成立するより先に、資金調達を行わなければいけなかった関係上、東芝はファンド相手に第三者割当増資を行っています。
この時の第三者割当増資により、ファンドの保有株式数が激増し、経営判断を自律的に行うことが困難になり、東芝自体が上場廃止になる遠因となっています。
東芝本体はその後上場廃止になりました。これとは別に、キオクシアはベインキャピタルを中心とするコンソーシアムに対して約2兆円で売却されました。
この辺の詳しい経緯は、こちらの記事で昔々書いたので、細かい部分に興味がある方は読んでみてください。


LBOスキームによる巨額の負債
キオクシアは、ベインキャピタルを中心とするコンソーシアムに約2兆円で売却されました。この事実はよく報道されていますし、キオクシアの上場後でも時々報道されるのでご存じの方が多いと思います。
しかし、「2兆円」の内訳についてはあまり報道されません。
売却のスキームの記事の中でも書いていますが、現金2兆50億円で売却されています。
この現金を調達した内訳は、大きく分けて4つあります。
・株式(約2724億円)
・転換社債(約5897億円)
・優先株(約6840億円)
・融資(約6361億円)
4つを足すと、約2兆円になります。
このうち、転換社債については、上場前に株式に転換されているので、実質的には株式と同じ立ち位置です。
最終的に転換社債を株式に転換するのに株式と転換社債を使い分けているのは、売却時に議決権ベースで日本企業の議決権が50.1%であるという形を作ることが重要だったからでしょう。
この辺は、キオクシアが上場してしまったあとだとどうでもいい話です。非上場の時には、色々仕掛けがされていたんだろうくらいに思ってください。
重要なのは、株式と転換社債を足して、上場前の段階で実質的に株式となった部分の合計が約8500億円であることです。
優先株は、当時の条件を見ると実質的に借金のような形でした。融資は文字通り借金です。つまり、キオクシアが売却される時に動いた2兆円のうち、株式としては8500億円、借金が1.2-1.3兆円程度であったわけです。
これ自体は、ファンドへの企業売却時にレバレッジドバイアウト(LBO)としてよく使われるスキームです。
東芝から見ると、現金2兆円を調達し(株式として3500億円を再出資していますが)、資金不足を凌いだ形です。
キオクシアから見ると、東芝本体から売られた上に、1.2-1.3兆円近い負債を負って売られた形です。
結果的に、キオクシアは上場を果たして時価総額も上場直後より上がっていますが、東芝から売却された時のLBOスキームで負った借金が重い負担になったいた時期もあったので細かく書いています。
2026/7/17更新
独立後の苦境
WDとの合併話
念願の上場
NAND需要の急騰
現在
時価総額の急騰
AI向けデータセンター需要による業績の急騰
設備投資の堅調さ
これからのキオクシア
財務は健全さを取り戻した
半導体メモリの価格は需要で決まる
技術開発競争の優位性
CBAのその先
NAND以外にも手を伸ばす?
BCPE Pangea Cayman2の行く末
AI特需のその先に見えるもの
おわりに
失った技術は取り戻せない
半導体は頭で外貨を稼ぐ種
SCMって実現するのかな?
まとめ
そのうち更新予定です。
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