みなさんこんにちは。このブログを書いている東急三崎口です。
この記事は、2022年8月に訪れた旧白糠線の上茶路駅跡の訪問記です。
上茶路駅以外もちょこちょこ回りましたが、実際に訪れた感覚・2022年現在の状況を書き残しておきます。
白糠線をご存じない方のために
白糠線をご存知ない方のために、どんな路線なのか紹介します。
白糠線は、旧国鉄時代に北海道にあった路線です。
1964年に開業し1983年に廃止されたので、19年しか運行されていなかったレアな路線です。
国鉄末期に、赤字ローカル線を廃止された時期がありましたが、赤字ローカル線の中で一番最初に廃止された路線としても有名です。
細かく廃線跡をご覧になりたい方は、歩鉄の達人さんのページをご覧ください。
https://www.hotetu.net/haisen/Hokkaido/100710shiranukasen.html
私も、白糠線跡訪問時に参考にさせていただきました。
白糠線を訪れるきっかけ
そもそも、白糠線を訪れようと思ったきっかけは、20年以上前にさかのぼります。
20年前なので、まだ小学生の頃でしたが、鉄道雑誌の鉄道ファンの記事の中で白糠線跡が取り上げられていました。
(2001年9月号だと記憶しています。EH200の写真が表紙になっていました。)
2001年当時でも、廃線から約20年経っていて、相当時間の経過を感じる写真が並んでいました。
2001年に記事を読んで、一度現地を訪れてみたいと思っていましたが、白糠線の廃線跡が北海道の東側にあるので、なかなか現地に行く機会がありませんでした。
そんなこんなで、20年近く行けずじまいだったんです。
あるきっかけで、2022年に北海道の旅行に行くことになり、どうせ北海道に行くのであれば、日本最東端の駅である東根室駅に行きたいと思ったわけです。
その時に、東根室駅に行くのであれば、白糠線の廃線跡も訪れることができるじゃないかと思い立ち、今回現地を訪れることができました。20年越しの現地訪問です。
白糠線現役時代の時刻表
白糠線は1983年に廃止されたので、現在の時刻表には白糠線の路線は載っていません。
しかし、色々あって1978年9月の時刻表を持っているので、当時の路線図を開いてみました。
赤字ローカル線が廃止される前の、北海道の路線図はこちらです。
北海道全体が見えるように引きで撮っていますが、帯広と釧路の間にある白糠駅から、白糠線が北に伸びています。
アップにすると、このようになっています。
非常にたくさんの路線があります。今となっては、この写真の中の路線で残っているのは、釧網本線・根室本線だけです。
実際のダイヤがこちらです
衝撃のダイヤではないでしょうか。路線延長30km程度ですが、1日3往復しか列車が無いんです。
通学に使うにしても、1日3往復だとなかなか厳しいものがあります。
実際、誰が使っていたんでしょうね?
実際に白糠線跡を訪れる
白糠線跡を訪れるには、国道392号沿いを進んでいきます。
道東自動車道の白糠ICができたので、非常にアクセスしやすくなっています。
アクセスしやすいといっても、自家用車以外でアクセスするのは困難なので、実際に訪れる際は車で行くことになると思います。
上茶路駅への道中で白糠線の遺構を発見
道東自動車道の白糠ICを降りて、国道392号を北上しました。
白糠線は、国道392号線沿いに走っていたので、車窓から廃線跡が見えてきました。
国道からすぐそこに廃線跡らしきものが見えたので、近づいてみました。
奥に橋のようなものが見えています。
歩鉄の達人の情報をもとにすると、第9茶路川橋梁の跡のようです。
逆側を見るとこのようになっていました。
写真の奥に向かって、木々の中に不自然な空間ができています。ここが、白糠線の廃線跡となっています。
このあたりでは、レールは敷かれていませんでした。
少し国道を進むと、また廃線跡が見えてきました。
これは、第10茶路川橋梁のようです。
国道で車を止めて撮ったんですが、40年近く前に廃止された路線なのに、未だに廃線跡が残っていて驚きました。
途中で少し寄り道してしまいましたが、目的地である上茶路駅へ向かいます。
上茶路駅編
上茶路駅跡は、Google Mapでも表示されているくらいなので、場所を調べるのは簡単でした。
国道392号の左側に、小さい建物が見えるので、それを目印にして上茶路駅跡へ向かいます。
上茶路駅跡への道しるべ
国道から、上茶路駅跡は直接見えません。少し奥まで入っていかなければなりません。
上茶路駅跡へ向かう道は、わだちができているので、歩きやすくなっています。
その道の左手に、道道の看板が立っています。
道道665号の看板なんですが、青い六角形の看板の下に、何やら書いてあります。
内容は、「道道上茶路上茶路(停)線」と書いてあります。
上茶路(停)って、1983年に廃止されたのに、道道の名称としてはいまだに生きているんだと、少し感動しました。
そして、それまで半信半疑でしたが、「上茶路(停)線」という表記を見て、このわだちの中を入っていくと、上茶路駅跡へたどりつけることを確信して歩みを進めました。
森の中に開けた場所が現れる
しばらく道なりに歩いていくと、森の中に開けた場所が現れます。
写真自体は、逆側から撮ったものなので、実際は写真の右上にある道が国道側です。
森の中に開けた、土地の存在は、人工的に作られた感覚を抱きました。
木々の中にホームと思しき人工物が見える
急に開けた場所が出てきて、周囲を見てみると森の中になにやら人工物らしきものが見えます。
「??」「森の中にレールのようなものが見えるぞ?」と思ったのもつかの間、左を向くとこんな光景がありました。
!!!!
森の中に、たしかにホームの跡がある!
20年越しでたどりついた上茶路駅跡です。いやぁ長かった。
かつて鉄路があったことを無言で主張するレール
ホーム跡にさらに近づいてみます。
ホームの上に木が生えていて、途中で切れたレールがたたずんでいます。
駅名表の跡も残っていました。
ホーム上の屋根も未だに残っていました。
廃止されてから40年経っていても、ホームや、ホームの屋根は残っていました。
レールの間に生えた木の成長が時間の経過を物語る
ホームから、北進側を見るとこのようになっていました。
レールの間に木が生えていることから、廃止されてからの時間の経過を感じさせられます。
人工物も自然に還りつつある
上茶路駅跡なので、もともと駅があったことから、ホームや線路以外の人工物も残っていました。
もともと電柱だったんでしょうが、根元から折れてしまっています。
コンクリート製の電柱も自然に還りつつあることを感じさせられます。
朽ちた空き缶
上茶路駅跡が時間の経過に伴って、自然に還りつつあることを感じて歩いていると、ふと目に入ったのがこちらです。
空き缶じゃん。。。
空き缶も時間が経つと、朽ちていくことがよくわかります。
賞味期限がギリギリ読み取れたんですが、2004年が期限のものだったようです。
空き缶も20年近く経つと、こうなるんだと思いました。
20年越しに訪問できた上茶路駅跡が、2001年の訪問記とそれほど変わっていない姿で残っていて、個人的には非常にうれしかったです。
20年も経っていたら、崩れ始めているのではないかと思っていましたが、それなりに原型を留めていてくれました。
というわけで、上茶路駅跡を訪れることができたので、国道を北上して、終着駅だった北進駅跡へと向かいます。
国道から見える廃鉄橋
国道392号線を北上していると、車窓からまた廃鉄橋が見えました。
これは、第11茶路川橋梁のようです。
この鉄橋の右側はどこにつながっているかというと、森の中に吸い込まれていました。
あの森の中に、何かあるんじゃないかと思って少し引き返すと、意外なものが残っていました。
上茶路跨線橋
国道から少し上がると、こんな看板が見えました。
上茶路跨線橋と書いてあります。
看板の新しさから考えて、40年前のものではないでしょう。
普通に道と変わらないように見えるかもしれませんが、灰色のコンクリートの部分が橋になっています。
跨線橋の上から見てみると、見づらいですが下に白糠線跡がたしかにありました。
写真の奥側が、先ほど国道から見えた第11茶路川橋梁になっています。
8月に訪問したので、草や木が生い茂っていて、近づくのは困難でした。
北進駅跡
最後に訪問したのが、白糠線の終着駅であった北進駅跡です。
北進駅跡は、2001年の鉄道ファンの記事でも、残っているものは何もなく、唯一「国有鉄道」と書かれた石柱があったと書かれていました。
どんなところか見てみたかったので、訪れましたがやはり何も残っていませんでした。
写真の奥側が、上茶路方面です。
8月だったせいか、草が非常に生い茂っていて、国有鉄道の石柱すら見つけることができませんでした。
何もないことは想像していましたが、たしかに40年前ここに鉄道があったことは事実のようです。
北進駅跡が、白糠線訪問の最後です。
白糠線訪問は、北海道旅行の一部なので、どんな旅行だったか興味がある方は、北海道旅行記も読んでみてください。
日本最東端の駅である東根室駅や、北海道最東端である納沙布岬も訪れています。
まとめ
この記事では、2022年8月に訪れた旧白糠線の上茶路駅跡の訪問記を書きました。
白糠線は、国道沿線に廃線跡がいまだに残っており、40年前に廃止されたとは思えない廃線跡です。
2022年の訪問時には、遺構がまだ残っていましたが、大雨や台風などでいつ無くなってしまってもおかしくないです。
もし興味がある方は、安全第一でお願いします。
この記事は、ここまでです。読んでくださってありがとうございました。
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