2024/7/5の半導体関連ニュース5選

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みなさんこんにちは、このブログを書いている東急三崎口です。

新ジャンル記事ということで、半導体関連を中心に、私が気になった当日のニュースを5本程度紹介していきます。

それでは、東急三崎口が選んだ2024/7/5のニュースを紹介していきます。

目次

2024/7/5のニュース記事5選

2024/7/5のニュースで私が選んだのは、この5本です。

サムスン、営業利益16倍 4~6月
日本経済新聞(会員限定記事) 2024/7/5配信

最先端半導体を実現する「裏面電源供給」、鍵はウエハー貼り合わせ
日経XTech(有料会員限定記事) 2024/7/5配信

ラピダス巨額支援で延長戦 経産・財務「伝統の一戦」
日本経済新聞(会員限定記事) 2024/7/5配信

AMD Reportedly Eyes Mass Production in 2025 for Zen 6 Architecture with TSMC’s N3E Process
Trendforce 2024/7/5配信

2023年の車載半導体企業売上高ランキング、日本勢トップは5位のルネサス SI調べ
マイナビニュース 2024/7/5配信

1:サムスン、営業利益16倍 4~6月

1本目は、日経新聞報道のSamsungの決算速報の記事です。

Samsungは、正式な決算発表の前に決算速報を出しています。四半期の売上高と営業利益を公表しているので、正式な決算発表の前に、ある程度の情報を知ることができます。

2024年4-6月期は、Samsung全社で売上高が74兆ウォン、営業利益が10.4兆ウォンとなりました。

Samsungは、半導体メモリ以外にも柱になる事業を持っています。半導体メモリ専業メーカーと比べると、全社の売上高と営業利益はけた違いに大きいです。

潤沢なキャッシュフローがあり不況期にも投資の手を緩めない強さは、Samsungならではと言えるでしょう。

このブログでは、2024年4-6月期のSamsungの半導体部門の決算について、解説記事を出す予定です。

先期(2024年1-3月期)のSamsungの半導体部門の決算について、こちらの記事で解説しているので興味がある方は読んでみてください。

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サムスン、営業利益16倍 4~6月
日本経済新聞(会員限定記事) 2024/7/5配信

2:最先端半導体を実現する「裏面電源供給」、鍵はウエハー貼り合わせ

2本目は、日経XTechの裏面電源供給に関する記事です。

裏面電源供給は、先端ロジック半導体で採用されようとしている技術です。

簡単に言うと、従来はトランジスタの表面側に、信号の伝送線と電源供給の配線を一緒に配置していました。しかし、トランジスタの微細化が進み、電源供給の配線が信号の伝送線に与える影響が相対的に大きくなりました。

そこで、電源供給の配線をトランジスタの裏側に回してしまおうというのが、裏面電源供給の発想です。

トランジスタの裏側には信号伝送用の配線が無いので、電源供給の配線が表側にある場合と比べて、電源線を太くすることができます。電源線を太くすることで、配線の抵抗値を下げることができるのがメリットになります。

裏面電源供給にはいくつか方法がありますが、究極形はウエハを貼り合わせて電源供給線を作るものです。

技術的な難易度は上がりますが、トランジスタの微細化が進むと、必要性が上がっていくと考えられます。

最先端半導体を実現する「裏面電源供給」、鍵はウエハー貼り合わせ
日経XTech(有料会員限定記事) 2024/7/5配信

3:ラピダス巨額支援で延長戦 経産・財務「伝統の一戦」

3本目は、日経新聞のラピダスに関する記事です。

半導体への支援を行いたい経産省と財政支出が膨らむのを抑えたい財務省の対立構図を、「伝統の一戦」という言葉で表現しています。

ラピダスに関しては、賛否両論があるのは当然のことだと思います。半導体に詳しい方でも、両方の意見があるので、半導体に詳しくない方であれば、なおさらです。

厳密に言うと、ラピダスには直接税金が投入されているわけではなく、経産省からNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)へ補助金がおりて、NEDOからの委託を受けてラピダスを中心とした事業が行われています。

NEDOからの補助金や研究委託なので、補助金を受けて購入した装置等は、一定期間が経過するまでNEDOの許諾なしに、売却したり廃却することはできません。

ラピダスに間接的に税金が入っているのは間違いないので、税金の使途として議論があるのは然るべきです。

一方で、ラピダスをやらないとどうなるか?ということも考えておく必要があると考えています。

生成AI向けのGPUがバカ売れしていますが、日本には先端のGPUを製造できる会社はありません。つまり、現状では生成AIを含めた先端産業に使われるロジック半導体は、海外から調達しないと手に入れることはできません。

半導体が戦略物資になっている現代において、自国での調達が不可能だと何かと不利になります。(製造国が売らないと言ったら手に入れられないことになります。アメリカが中国に行っている先端ロジック半導体の輸出規制は、最たるものです。)

何が言いたいのかというと、税金を投入する是非とともに、ラピダスが無かった時に日本が不利益を被る可能性まで考えたうえで議論が必要だと私は考えています。

近視眼的に、税金を投入するのは無駄だとか、成功できるはずがないという批判は無くならないと思いますが、ラピダスの目指す道は非常に難しい道でありながら、最終的に成功した時にその利益を享受できるのは日本だと考えると、意義のあるプロジェクトだと思っています。

ラピダス巨額支援で延長戦 経産・財務「伝統の一戦」
日本経済新聞(会員限定記事) 2024/7/5配信

4:AMD Reportedly Eyes Mass Production in 2025 for Zen 6 Architecture with TSMC’s N3E Process

4本目は、Trendforce発のAMDがZen6をTSMCのN3Eプロセスで2025年に量産するという記事です。

私自身、HPC向けにハイエンドのCPUを買わないので、あまり細かくウォッチしていないんです。

ただ、CPU市場はIntelとAMDの2強であり、IntelがIDM(TSMCに生産委託する世代も最近はありますが)なのに対してAMDはファブレスなので、生産は全てファウンドリに委託する形となっており対照的です。

AMDは、TSMCに生産委託するしかないので、(IntelファウンドリとかSamsungファウンドリに委託していたらすいません)先端品はTSMCのキャパの取り合いになるんだろうと考えられます。

N3E世代だと、FinFETの最後くらいの世代に当たるので、まだGAA構造は適用されないことになります。

TSMCの先端品のキャパの取り合いは、先端品を作るファブレスにはシビアな戦いになることでしょう。

AMD Reportedly Eyes Mass Production in 2025 for Zen 6 Architecture with TSMC’s N3E Process
Trendforce 2024/7/5配信

5:2023年の車載半導体企業売上高ランキング、日本勢トップは5位のルネサス SI調べ

5本目は、マイナビニュースから出ている2023年の車載半導体企業の売上高ランキングの記事です。

車載半導体と言っても、車載のパワーなのか、ロジックなのか、アナログなのか、メモリなのかによって、見方が変わってきます。

トップはInfennionでした。日本勢だと、5位にルネサスエレクトロニクス、10位にロームが入っていました。

日本勢でルネサスがトップなのは、納得できます。ルネサスは車載半導体が中心なので、当然と言えば当然です。

マクロな視点で見ると、自動運転を実現しようとした時には、車に乗せないといけない半導体は、センサ・演算等を考えても、現在より増えるのは明らかです。

足元の市況はともかく、将来的には車載用途で必要とされる半導体の需要は増えていくでしょう。

2023年の車載半導体企業売上高ランキング、日本勢トップは5位のルネサス SI調べ
マイナビニュース 2024/7/5配信

まとめ

今回は、2024/7/5の記事で私が選んだ半導体ニュース5選を紹介しました。

連載の5本目でした。コメント・ご意見等あればお気軽にどうぞ。基本的に平日の夜に更新していく予定なので、次回の更新は7/8(月)になります。

このブログでは、半導体に関する記事を他にも書いています。半導体メモリ業界が中心ですが、興味がある記事があれば読んでみてください。

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この記事はここまでです。最後まで読んでくださってありがとうございました。

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